🍷 はじめに
日本ワイン検定2級のテイスティング試験では、課題ワイン2種類について、品種を判断する形式です。
1級のように、外観・香り・味わい・品種を細かく総合的に回答する試験とは異なり、2級では「白ワインはどの品種か」「赤ワインはどの品種か」を判断することが中心になります。
この記事では、日本ワイン検定2級のテイスティング対策として、白ワインは甲州・シャルドネ、赤ワインはマスカット・ベーリーA・メルロを想定し、どこを見れば品種を判別しやすいかを整理します。
また、2級対策用に入手した練習用ワインの参考画像、ワイナリー名、ワイン名、ヴィンテージをもとに、2級受験者向けに見分け方の考え方をまとめます。
なお、この記事で掲載している画像は、外観や色調の違いを確認するための参考画像です。銘柄ラベルが大きく写らないよう、一部加工して掲載しています。
実際の香りや味わいについては、当時の記憶をもとに断定するのではなく、品種の典型的な特徴と、ワイナリー名・ワイン名・ヴィンテージから考えられる学習上のポイントとして整理しています。
そのため、本記事は「このワインは必ずこの香り・味わいだった」と断定するものではありません。2級テイスティングで、甲州・シャルドネ・マスカット・ベーリーA・メルロを見分けるための考え方を整理する目的でご覧ください。
✅ まず結論:2級は「細かい表現」よりも、4品種の違いを見る
2級テイスティングでは、細かい香りの表現をすべて覚えるよりも、まずは4品種の違いを大きく捉えることが重要です。
ざっくり整理すると、次のようになります。
| 区分 | 品種 | 見分けるための主な手がかり |
|---|---|---|
| 白 | 甲州 | 淡い外観、控えめな香り、柑橘、後味の苦味、軽めのアルコール感 |
| 白 | シャルドネ | 果実の厚み、丸み、樽由来のヴァニラ・バター・トースト、余韻 |
| 赤 | マスカット・ベーリーA | 明るい赤、いちご、さくらんぼ、いちごキャンディ、綿菓子、軽いタンニン |
| 赤 | メルロ | やや濃い赤、黒寄りの果実、落ち着いた香り、厚み、中庸以上のタンニン |
特に、赤ワインでは「甘やかな赤系果実か、タンニンと厚みか」、白ワインでは「控えめで苦いか、果実の厚みと樽感があるか」を見ると整理しやすいです。
📦 2級対策用の練習用ワインを使う意味
2級のテイスティング対策では、市販の海外ワインだけで練習するより、日本ワイン同士で比較することが大切です。
海外のシャルドネやメルロを基準にすると、日本のシャルドネやメルロが想像より軽く、繊細に感じられることがあります。逆に、甲州でも樽を使ったタイプは、思ったよりリッチに感じられることがあります。
そのため、2級で想定される品種に近い日本ワインを実際に並べてみると、試験本番に近い感覚で練習しやすくなります。
この記事では、2級対策用に入手した練習用ワイン6種について、画像から確認できる外観、ワイナリー名、ワイン名、ヴィンテージを整理します。
香りや味わいについては、当時の記憶に頼って断定するのではなく、各品種の典型的な特徴をもとに、2級テイスティングで注目したいポイントとしてまとめます。
🍷 赤ワインの見分け方:マスカット・ベーリーAか、メルロか
赤ワインでは、マスカット・ベーリーAとメルロを見分けることが中心になります。
どちらも日本ワインでは重要な赤ワイン用品種ですが、試験対策としては、次のように整理すると分かりやすいです。
マスカット・ベーリーAと考えやすいサイン
- 色調が明るい赤、またはやや淡めに見える
- いちご、さくらんぼ、ざくろのような赤系果実を感じる
- いちごキャンディ、綿菓子、甘い香りがある
- 香りに親しみやすさ、やわらかさがある
- タンニンが軽い
- 口当たりがやわらかく、飲みやすい
マスカット・ベーリーAは、赤系果実と甘やかな香りが手がかりになりやすい品種です。
特に、いちごあめ、綿菓子、キャンディのような香りを感じた場合は、マスカット・ベーリーAを強く疑いたいです。
ワインの専門用語では、こうした甘やかで独特な香りを「フォクシー香」と表現することがあります。ただし、2級対策では、まずは「いちごキャンディ」「綿菓子」「甘い赤い果実」と覚える方が分かりやすいと思います。
メルロと考えやすいサイン
- マスカット・ベーリーAより色が濃く見える
- ブルーベリー、ブラックチェリー、プラムのようなやや黒寄りの果実を感じる
- 香りがキャンディというより、落ち着いた果実や土っぽさに寄る
- タンニンが中庸以上に感じられる
- 味わいに厚みがある
- 赤ワインを口の中で噛むようにすると、渋みや骨格が残る
メルロは、マスカット・ベーリーAよりも果実の色合いが暗く、味わいに厚みが出やすい品種です。
タンニンがそれなりにあり、赤ワインとしての骨格を感じる場合は、メルロを候補にしたいです。
ただし、日本のメルロは、海外の濃厚なメルロと比べると、やや軽やかに感じられることもあります。色が極端に濃くなくても、マスカット・ベーリーAのようなキャンディ香がなく、タンニンと厚みがあればメルロ寄りに考えたいです。
赤ワインの最終判断
| 判断ポイント | マスカット・ベーリーA寄り | メルロ寄り |
|---|---|---|
| 色 | 明るい赤、淡め | やや濃い赤、落ち着いた赤 |
| 香り | いちご、さくらんぼ、キャンディ、綿菓子 | プラム、ブルーベリー、黒寄りの果実 |
| 味わい | 軽やか、タンニン弱め | 厚みがあり、タンニン中庸以上 |
| 迷ったとき | 甘やかな香りがあればMBA | 渋みと厚みがあればメルロ |
🥂 白ワインの見分け方:甲州か、シャルドネか
白ワインでは、甲州とシャルドネを見分けることが中心になります。
ただし、これは赤ワイン以上に難しいです。日本のシャルドネはすっきりした造りのものも多く、甲州も樽を使ったタイプではリッチに感じられることがあります。
そのため、白ワインでは「樽香があるか」だけでなく、外観の濃さ、香りの強さ、味わいの厚み、後味の苦味を合わせて見ることが大切です。
甲州と考えやすいサイン
- 外観が淡い
- 香りが控えめ
- すだち、レモン、グレープフルーツのような柑橘系
- 華やかさよりも、すっきり感がある
- 後味に苦味を感じる
- アルコール感が軽め
- 余韻が短め、またはすっきり切れる
甲州は、分かりやすい派手な香りではなく、淡さ、控えめな香り、柑橘、苦味を手がかりにしたい品種です。
特に、後味にグレープフルーツの皮のような苦味が残る場合は、甲州を強く疑いたいです。
香りが控えめで、「何の品種か分かりにくい」と感じる場合も、甲州の可能性があります。分かりやすい樽香や果実の厚みがない場合は、甲州を初期候補に置くと整理しやすいです。
シャルドネと考えやすいサイン
- 甲州より果実に厚みがある
- りんご、洋梨、黄色い果実を感じる
- 樽由来のヴァニラ、バター、トースト感がある
- 口当たりに丸みがある
- 酸味だけでなく、ボリューム感がある
- 余韻が甲州より長く感じられる
シャルドネは、甲州よりも果実の厚みや口当たりの丸みが出やすい品種です。
樽由来のヴァニラ、バター、トーストのような香りをはっきり感じる場合は、シャルドネを候補にしたいです。
ただし、日本のシャルドネは、海外のリッチなシャルドネのように、必ずしも分かりやすく樽香が出るとは限りません。すっきりした造りのシャルドネもあるため、果実の厚み、酸、余韻を合わせて判断したいです。
ただし、樽香だけで決め打ちしない
注意したいのは、樽の香りがあるから必ずシャルドネ、とは言い切れない点です。
甲州にも、樽発酵・樽熟成をしたタイプがあります。そのため、樽由来のヴァニラやトーストを感じた場合でも、それだけでシャルドネと決め打ちするのは危険です。
樽香がある場合でも、果実の厚み、酸、苦味、余韻を合わせて見ることが大切です。樽の香りがありつつも、全体が淡く、後味に苦味が強く残る場合は、甲州の可能性も残ります。
白ワインの最終判断
| 判断ポイント | 甲州寄り | シャルドネ寄り |
|---|---|---|
| 色 | 淡い、緑がかった黄色 | やや黄色、濃さがある |
| 香り | 控えめ、柑橘、和柑橘 | りんご、洋梨、黄色い果実、樽 |
| 味わい | すっきり、苦味、軽め | 丸み、厚み、余韻 |
| 迷ったとき | 香りが控えめで苦ければ甲州 | 果実の厚みや樽香があればシャルドネ |
🖼️ 参考画像で見る、2級テイスティングの外観ポイント
ここでは、2級対策用に入手した練習用ワイン6種について、画像から確認できる外観、ワイナリー名、ワイン名、ヴィンテージを整理します。
掲載している画像は、銘柄ラベルが大きく写らないよう一部加工しています。これは、特定の銘柄を宣伝・評価するためではなく、2級テイスティングで必要になる「外観の見方」や「品種判別の考え方」を整理するためです。
また、香りや味わいについては、当時の記憶をもとに断定するのではなく、甲州・シャルドネ・マスカット・ベーリーA・メルロの典型的な特徴をもとに、学習上の見分け方として整理しています。
そのため、以下の内容は個別ワインのレビューではなく、2級テイスティング対策のための参考メモとしてご覧ください。
白ワイン:甲州・シャルドネの参考画像
ワインを15ml程度注いだ状態です。正直なところ、グラスに注いだワインの色はわかりにくいですが、50mlのボトルに残っているワインの色はある程度違いが感じられると思います。
白①は非常に淡く「無色~緑がかった黄色」、白②、白③は樽の色の熟成が影響したためか「緑がかった黄色~黄色」が出ているように見えます。



| 区分 | ワイナリー | ワイン名 | ヴィンテージ | 品種 |
|---|---|---|---|---|
| 白① | 白百合醸造 | ロリアン 勝沼甲州 | 2023(試飲時点 約2.5年) | 甲州 |
| 白② | シャトー酒折ワイナリー | シャルドネ(バレル・エイジド) | 2021(試飲時点 約4.5年) | シャルドネ |
| 白③ | シャン・クレール | シャルドネ 樽熟成 | 2021(試飲時点 約4.5年) | シャルドネ |
赤ワイン:マスカット・ベーリーA・メルロの参考画像
ワインを15ml程度注いだ状態です。赤③は鮮やかな「赤」です。
もう少し注ぐと赤①、赤②ははっきり濃い目の「紫がかった赤」に感じられます。



| 区分 | ワイナリー | ワイン名 | ヴィンテージ | 品種 |
|---|---|---|---|---|
| 赤① | さかいまちファーム&ワイナリー | 長野メルロー | 2021(試飲時点 約4.5年) | メルロ |
| 赤② | 古安曾農園 | Rivers Partner’s Cuvee メルロー | 2020(試飲時点 約5.5年) | メルロ |
| 赤③ | 広島三次ワイナリー | TOMOÉ マスカット・ベーリーA | 2019(試飲時点 約6.5年) | マスカット・ベーリーA |
🚨 2級で間違えやすいポイント
1. 明るいメルロ、濃いマスカット・ベーリーAに注意
色だけで判断すると外すことがあります。
若いメルロは紫がかって見えることがありますし、樽を使ったマスカット・ベーリーAは思ったより濃く感じることもあります。
赤ワインでは、色だけではなく、香りとタンニンを必ず確認したいです。
2. 樽香のある甲州に注意
樽の香りがあるとシャルドネに寄せたくなりますが、甲州にも樽を使ったタイプがあります。
樽香だけでなく、果実の厚みや後味の苦味を確認したいです。
樽香があっても、全体が淡く、後味に甲州らしい苦味がある場合は、甲州の可能性を残しておきたいです。
3. 日本のシャルドネは、思ったよりすっきりしていることがある
海外のリッチなシャルドネを基準にすると、日本のシャルドネを甲州と間違える可能性があります。
日本のシャルドネは、すっきりした造りのものもあります。樽香が強くなくても、果実の厚み、丸み、余韻があればシャルドネを候補にしたいです。
4. 香りだけでなく、味わいで確認する
香りだけで判断すると、迷ったときに引っ張られやすくなります。
赤なら、タンニンと厚み。白なら、苦味と余韻。最後は味わいで確認すると、判断が整理しやすくなります。
✅ 最後の保険:迷ったときの考え方
どうしても迷った場合、赤はマスカット・ベーリーA、白は甲州を初期仮説にする考え方はあります。
どちらも日本ワインを代表する品種であり、試験対策上も基本品種として最初に押さえる価値があります。
ただし、「迷ったら必ずマスカット・ベーリーAと甲州にすればよい」という意味ではありません。
実戦的には、まず赤はマスカット・ベーリーA、白は甲州を初期仮説に置き、香りや味わいが明確に違えば、メルロ・シャルドネへ切り替える、という考え方が現実的です。
| 迷ったときの初期仮説 | 切り替えるサイン |
|---|---|
| 赤はマスカット・ベーリーAを疑う | タンニン、厚み、黒寄りの果実が明確ならメルロへ切り替える |
| 白は甲州を疑う | 果実の厚み、樽香、丸み、余韻が明確ならシャルドネへ切り替える |
🏫 最後は、実際に飲んで確認する
2級のテイスティングは、品種数が限られているため簡単に見えますが、日本ワイン同士の比較になるため、意外と迷いやすいです。
特に、甲州とシャルドネは、どちらもすっきりした造りだと判別が難しくなります。
マスカット・ベーリーAとメルロも、造りによっては色や香りだけでは判断しにくい場合があります。
そのため、2級対策用の練習用ワインや日本ワイン講座を使って、実際に飲み比べることが一番の対策になります。
自分でワインを買いそろえる場合は、白なら甲州とシャルドネ、赤ならマスカット・ベーリーAとメルロを並べて飲むと、違いが分かりやすくなります。
その際は、最初から品種名を見ながら飲むのではなく、一度ブラインドにして、「これはどちらか」を考えてから答え合わせをすると、本番に近い練習になります。
📝 まとめ
日本ワイン検定2級のテイスティングでは、白は甲州かシャルドネ、赤はマスカット・ベーリーAかメルロを見分けることが中心になります。
- 明るい赤、いちごキャンディ、綿菓子ならマスカット・ベーリーA寄り
- 濃い赤、黒寄りの果実、タンニン、厚みがあればメルロ寄り
- 淡い白、控えめな香り、柑橘、苦味があれば甲州寄り
- 果実の厚み、樽香、丸み、余韻があればシャルドネ寄り
ただし、どの品種にも例外があります。
色だけ、香りだけで決めるのではなく、外観、香り、味わいを合わせて、最後は相対比較で判断することが大切です。
2級のテイスティング対策では、細かい表現を増やしすぎるよりも、まずは「甲州とシャルドネの違い」「マスカット・ベーリーAとメルロの違い」を、自分の感覚で確認できるようにしておくことが大切だと思います。