ソムリエ・ワインエキスパート二次試験対策|香りの選択肢 判別辞書

🧩はじめに

本記事は、ソムリエ・ワインエキスパート二次試験のテイスティング対策として、白ワイン・赤ワインの「香り」の選択肢について、「どのような香りか」「近い選択肢とどう違うか」「試験ではどのように選ぶとよいか」を整理した学習用メモです。

白ワイン・赤ワインのコメントシートでは、香りの欄が大きく「第一印象」「果実」「花・植物」「香辛料・芳香・化学物質」「香りの印象」に分かれています。本記事では、この分類に沿って、選択肢ごとの考え方を整理します。

なお、本記事の内容は、学習補助として整理したものであり、J.S.A.や各スクール、講師の公式見解を示すものではありません。講座を受講されている方は、必ず講師の指導や配布資料を優先してください。

香りの選択肢には、日常生活では意識する機会が少ない果実、花、香辛料、鉱物などの表現も含まれています。本記事では、著者自身の学習も兼ねて、実物の香りや一般的なテイスティング理論を参考にしながら、似た選択肢との違いをAIで整理しています。香りの感じ方には個人差があるため、用語を固定的な正解として覚えるのではなく、比較するための目安としてご利用ください。

🧭香り選択の基本方針

テイスティング試験では、香りの選択肢をすべて正確に当てるというよりも、ワイン全体の方向性と矛盾しない言葉を選ぶことが重要です。

白ワインでは、まず「若々しい柑橘・青リンゴ系か」「熟した白〜黄色果実か」「トロピカルか」「樽・乳製品・熟成香があるか」を考えます。

赤ワインでは、まず「淡い赤系果実か」「濃い黒系果実か」「乾燥果実・熟成香があるか」「植物・スパイス・樽・動物的ニュアンスがあるか」を考えると整理しやすくなります。


🍾白ワイン用

第一印象

白ワインの第一印象では、香りの強さと性質を大きく捉えます。コメントシート上でも、香りの第一印象には「閉じている」「控えめ」「開いている」「力強い」「フレッシュな」「ミネラリー」「華やかな」「熟度の高い」「豊かな」「濃縮感がある」「セイボリーな」「複雑な」などの項目があります。

項目どのようなものかほかの項目との違い・選び方
閉じている香りが立ちにくく、現時点では得られる情報量が少ない状態。果実や花の香りが弱く、スワリングしても香りの要素を明確に捉えにくい。「控えめ」は香りの要素を確認できるものの、強さが穏やかな状態。「閉じている」は、本来香りを持っていそうであるにもかかわらず、現時点では十分に現れていない状態を表す。温度が低い場合や、グラスに注いだ直後にも閉じているように感じることがあるため、香りの強さだけでなく、香りの種類をどの程度捉えられるかで判断する。
控えめ香りの量が少なく、穏やかな印象。香りの要素は確認できるが、全体の強さが穏やかな場合に選ぶ。「閉じている」のような、香りが出てこない閉塞感とは区別する。
開いている香りが自然に広がり、複数の要素を取りやすい状態。標準的に香りが表れている場合に選びやすい。「力強い」は香りの量や主張がより明確であるのに対し、「開いている」は香りの出方を表す。
力強い香りの主張が明確で、量感がある状態。アロマティック品種、熟度の高い白、樽熟成した白などで候補になる。「豊かな」は香りの要素の多さも含むが、「力強い」は香りの強度を中心に判断する。
フレッシュな柑橘類、青リンゴ、フレッシュハーブなどを思わせる、若々しく爽やかな印象。熟した果実や熟成香が目立つ「熟度の高い」と対照的。酸の強さそのものではなく、香りから受ける若々しさを基準に選ぶ。
ミネラリー石、チョーク、貝殻などを連想させる、硬質で引き締まった印象。果実や花の香りよりも、無機質で乾いた印象が前面にある場合に候補とする。高い酸や塩味を思わせる余韻とともに感じられることもあるが、味わいだけを根拠に選ばない。
華やかな花や果実の香りが明るく広がる印象。マスカット、ライチ、白バラ、キンモクセイなどの香りが目立つ場合に使いやすい。「豊かな」は要素の多さや量感を含むが、「華やかな」は明るい花・果実香の性質を表す。
熟度の高い白桃、アプリコット、パイナップル、マンゴーなど、よく熟した果実を思わせる印象。柑橘類や青リンゴを中心とする「フレッシュな」と対照的。「濃縮感がある」ほど密度や重さを感じない場合でも、果実の熟度が高ければ候補になる。
豊かな香りの要素が多く、量感もある印象。果実、花、乳製品、樽香などが重なって感じられる場合に選びやすい。「力強い」が強度を中心に表すのに対し、「豊かな」は要素の広がりも含む。
濃縮感がある果実の密度が高く、凝縮した印象。単に熟しているだけでなく、香りに厚みや重さがある場合に選ぶ。「豊かな」は要素の多さを含むが、「濃縮感がある」は果実香の密度を重視する。
セイボリーなハーブ、出汁、酵母、旨味を思わせる、果実中心ではない落ち着いた印象。甘い果実香や華やかな花香よりも、料理や旨味を連想させる香りが目立つ場合に候補とする。塩味そのものは味覚であるため、香りと味わいを分けて確認する。
複雑な果実、花、発酵、樽、熟成など、複数の香りが多層的に感じられる印象。香りの種類が多いだけでなく、それぞれが重なり合って奥行きをつくっている場合に選ぶ。単に香りが強いだけの場合は「力強い」と区別する。

果実

白ワインの果実香は、基本的に「柑橘類 → 青リンゴ・リンゴ → 洋梨・白桃 → アプリコット・パイナップル・マンゴー」のように、若い果実から熟した果実へと考えると整理しやすくなります。白ワイン用コメントシートでも、果実の欄には柑橘類、青リンゴ、リンゴ、洋梨、マスカット、花梨、パッションフルーツ、白桃、アプリコット、パイナップル、ライチ、バナナ、マンゴーなどが並んでいます。

項目どのようなものかほかの項目との違い・選び方
柑橘類レモン、グレープフルーツ、ライムなどを含む爽やかな果実香。若々しく爽やかな白ワインで基本候補になりやすい。青リンゴより皮や果汁を思わせる香りが明確。
青リンゴ若々しく、硬く、爽やかな果実香。柑橘類より果実的で、リンゴや洋梨より引き締まっている。
リンゴ青リンゴより少し丸みのある白い果実香。青リンゴほど硬くなく、洋梨ほど柔らかくない。中庸な白果実。
洋梨白い果肉の柔らかく丸い香り。リンゴよりふくらみがあり、白桃より控えめ。シャルドネなどで使いやすい。
マスカット生食ぶどうを思わせる華やかで甘い香り。アロマティック品種で候補。洋梨より明確にぶどうらしい。試験では「柑橘類」など他の基本果実とセットで選ばれることが多い。
花梨黄色いリンゴ、洋梨、あんず、蜂蜜などの中間にあるような、硬質で凝縮した黄色い果実の香り。
熟した黄色い果実や、加熱した果実を思わせる場合もある。
「リンゴ」よりも硬く、凝縮した印象。
「洋梨」よりも甘さが控えめで、酸や渋みを思わせる硬さがある。
「あんず」よりも熟度が低く、乾いた印象。
「蜂蜜」は果実ではなく、熟成や貴腐を思わせる甘い香りですが、「花梨」はあくまで黄色い果実の香り。
リースリングやシュナン・ブランなどで候補になることがあるが、花梨だけで品種を決めず、酸、熟成度、ほかの果実香と合わせて判断する。
パッションフルーツ南国果実らしい華やかさと、甘酸っぱさを連想させる鮮明な香り。ソーヴィニヨン・ブランなどで候補。パイナップルより青さや鋭さを感じやすい。
白桃柔らかく上品な甘さを持つ果実香。洋梨より甘く華やか。アプリコットより白く軽い印象。
アプリコット黄色〜橙色の熟した果実香。白桃より色が濃く、花梨より柔らかい。熟度の高い白で候補。
パイナップル甘酸っぱく、トロピカルな果実香。熟度が高く、リッチな白で選びやすい。マンゴーより酸が明るい。
ライチ非常に華やかで甘い、エキゾチックな果実香。ゲヴュルツトラミネールなどの典型候補。マスカットより甘く濃厚。強烈な個性だが、マークする際はベースとなる「柑橘類」や「白い花」も落とさないよう注意。
バナナ熟したバナナ、バナナキャンディ、バブルガムなどを思わせる、甘く華やかな香り。
主に発酵によって生じるエステルに由来し、若いワインや、マセラシオン・カルボニックを用いたワインなどで感じられることがある。
「洋梨」や「白桃」よりも、キャンディや菓子を思わせる甘い香りが強いのが特徴。
「パイナップル」などの南国果実よりも、人工的で発酵由来の華やかさを感じる場合がある。
頻繁に選ぶ表現ではないため、単に若く華やかなワインというだけでは選ばず、バナナやキャンディを明確に感じる場合に候補とする。
マンゴー濃厚で熟したトロピカルフルーツの香り。非常に熟度の高い白で候補。通常の軽い白では選びにくい。

花・植物

白ワインの花・植物は、白い花、黄色い花、ハーブ、ナッツの方向で整理するとわかりやすいです。コメントシートでは、スイカズラ、アカシア、白バラ、キンモクセイ、菩提樹、柑橘系の花、ミント、アニス、ヴェルヴェーヌ、ローリエ、タイム、フレッシュアーモンド、ヘーゼルナッツなどが並んでいます。

項目どのようなものかほかの項目との違い・選び方
スイカズラ白い花と蜜を思わせる、上品で甘い香り。アカシアより軽く、白バラより控えめ。白い花の基本候補。
アカシア白〜黄色い花、蜂蜜に近い華やかな香り。スイカズラより蜜っぽく、キンモクセイほど濃くない。
白バラバラの華やかさを持ちながら、赤いバラほど重くない香り。アロマティックな白で候補。華やかさを表すときに使いやすい。
キンモクセイ黄色い花、甘さ、熟した果実を思わせる香り。白い花より濃く、印象に残りやすい。熟度や華やかさがある白で候補。
菩提樹ハーブティー、白い花、蜜のような香り。リースリング系で使いやすい。アカシアより落ち着きがある。
柑橘系の花ネロリのような、柑橘の花を思わせる香り。柑橘類が果実なら、こちらは花。爽やかで華やかな白に合う。
ミントすっと抜ける清涼感のあるハーブ香。ヴェルヴェーヌより冷涼感が強く、タイムより生き生きしている。
アニス甘い薬草、リコリスに近い独特の香り。やや特殊。明確に甘いハーブ・薬草感があるときに選ぶ。
ヴェルヴェーヌレモン様の爽やかさを持つハーブ香。柑橘とハーブの中間。ミントほど清涼感は強くない。
ローリエ料理に使う乾いたハーブの香り。タイムより大きく、乾いた葉の印象。フレッシュなハーブではない。
タイム乾いた細かなハーブの香り。ローリエより繊細で、南仏的な乾いたハーブ感がある。
フレッシュアーモンド若いナッツ、軽い苦味、種子のような香り。甲州やニュートラルな白で候補。ヘーゼルナッツより若く軽い。
ヘーゼルナッツ香ばしいナッツ香。フレッシュアーモンドより熟成・樽・MLF寄り。リッチな白で候補。

香辛料・芳香・化学物質

白ワインのこの欄は、ミネラル、樽、スパイス、特殊香、熟成香に分けて考えると整理しやすいです。コメントシートには、石灰、火打石、貝殻、鉱物、海の香り、ロースト、ヴァニラ、煙、薫製、シナモン、白胡椒、コリアンダーシード、丁子、香木、ジンジャーブレッド、硫黄、ペトロール、パン・ド・ミ、乳製品、フェノール、麝香、花の蜜、蜂蜜、ワックス、蜜蝋などが並んでいます。

項目どのようなものかほかの項目との違い・選び方
石灰白いチョーク、石灰岩、粉状の石などを思わせる、乾いて硬質な印象。「鉱物」の中でも、白く、粉っぽく、乾いた印象が強い場合に選ぶ。「貝殻」は海や塩気を連想させやすいのに対し、「石灰」はチョークや白い岩を思わせる。産地の土壌だけを理由に選ばず、実際の香りを優先する。
火打石石を打ち合わせたときの火花、乾いた煙、火薬、焦げた石などを思わせる香り。「鉱物」よりも煙や火薬のようなニュアンスが強い。「硫黄」はゆで卵や温泉などを思わせる還元香であるのに対し、「火打石」はより乾いて硬い印象。特定の産地だけを根拠に選ばない。
貝殻乾いた貝殻、砕いた貝殻、石灰質の岩などを思わせる香り。「石灰」よりも海や塩気を連想させる印象がある。「海の香り」は潮風や海水のような広がりを表すが、「貝殻」はより乾いて硬く、石灰質な印象。海沿いの産地という情報だけで選ばない。
鉱物石、濡れた石、チョークなどを連想させる、硬質で乾いた印象。土壌中の鉱物の香りが、そのままワインへ移ったという意味ではない。「石灰」よりも広い表現で、「火打石」のような煙や火薬を必ずしも伴わない。高い酸や還元的なニュアンスとともに感じられる場合もあるが、香りとしての印象を優先する。
海の香り潮風、海水、湿った海辺などを思わせる印象。「貝殻」よりも潮風や海水のような広がりがあり、湿った空気を連想させる。塩味は味覚であるため、香りと味わいを分けて確認する。特定の産地や品種に直結させず、実際に感じる場合に候補とする。
ロースト焼いた香ばしさ。樽や熟成由来の香ばしさ。ヴァニラより甘さが少ない。
ヴァニラ甘く柔らかい樽香。樽熟成の白で選びやすい。ローストより甘い。
スモーキーな香り。薫製より食品感が弱く、火打石より煙そのものに近い。
薫製燻した食品のようなスモーク香。煙より食品的。樽や熟成、品種由来のスモーキーさが明確な場合に選ぶ。
シナモン甘く温かいスパイス香。白胡椒より甘く、丁子より穏やか。
白胡椒軽い辛味を感じる白いスパイス香。赤の黒胡椒より控えめ。白ワインでは強く選びすぎない。
コリアンダーシード柑橘的で軽いスパイス香。白胡椒より爽やかで、シナモンより甘くない。
丁子クローブ。甘さと薬草感を持つスパイス香。シナモンより刺激的で、樽や熟成とも結びつきやすい。
香木ウッディで高貴な木の香り。ヴァニラより甘さが少なく、木質感が強い。
ジンジャーブレッド甘いスパイス菓子のような香り。熟度、樽、甘いスパイスが重なる場合に候補。
硫黄ゆで卵、温泉、マッチ、焦げたゴムなどを思わせる、還元的な香り。試験用語としての「硫黄」は、元素としての硫黄そのものの匂いではなく、硫黄化合物に由来する香りを表す。「火打石」は乾いた煙や火薬、「煙」は焚き火や焦げた木を思わせる。明確な還元香を感じる場合に選ぶ。
ペトロール灯油、石油、ケロシン、ワックスなどを思わせる独特の香り。リースリングで代表的な香りの一つ。「硫黄」のような、ゆで卵や温泉を思わせる還元香とは異なる。瓶熟成によって強まることが多いが、比較的若いワインでも感じられる場合がある。
パン・ド・ミ食パン、酵母、シュール・リーを思わせる香り。乳製品よりパン・酵母寄り。発酵由来のニュアンスで使いやすい。
乳製品ヨーグルト、クリーム、バターのような香り。MLFやリッチな白で候補。パン・ド・ミより乳の印象が強い。
フェノール薬品、消毒液、スモークなどを思わせる、やや刺激的な香り。「煙」よりも薬品的で、「樹脂」よりも消毒液やスモークを思わせる印象が強い。意味の範囲が広く判別が難しいため、明確な薬品的ニュアンスがある場合に候補とする。
麝香ムスクのような甘く動物的な香り。かなり特殊。アロマティックで濃密な香りに限って候補。
花の蜜花由来の軽い甘さ。蜂蜜より軽く、花に近い。華やかな白で候補。
蜂蜜濃い甘さ、熟成、貴腐的な印象。花の蜜より重く、熟成感や高い熟度を伴う。
ワックスろう、油脂、熟成した白に出る質感。蜂蜜ほど甘くなく、蜜蝋より中性的。
蜜蝋蜂蜜とワックスが合わさったような香り。熟成白で候補。蜂蜜よりろう質感があり、ワックスより甘い。

香りの印象

白ワインの香りの印象では、「若々しい」「嫌気的な」「熟成感が現れている」「酸化熟成の段階」「第1アロマが強い」「第2アロマが強い」「ニュートラル」「木樽からのニュアンス」「成熟度が高い」などが使われます。

項目判断の目安
若々しい柑橘類、青リンゴ、フレッシュな果実香が中心で、熟成香が目立たない。
嫌気的な酸素との接触が少ない状態を思わせる、還元的でややこもった印象。硫黄、マッチ、火打石などを思わせる香りを伴う場合がある。「閉じている」は香りの出方を示す表現であり、必ずしも同じ意味ではない。
熟成感が現れている蜂蜜、ナッツ、ワックス、蜜蝋などの熟成由来の香りが現れ、若い果実香だけではない状態。
酸化熟成の段階熟成によって果実香が落ち着き、ナッツ、ドライフルーツなどの酸化的な香りが調和して現れている状態。必ずしも欠陥を意味しない。
第1アロマが強いブドウ由来と捉えられる果実、花、植物などの香りが明確で、発酵・醸造香や熟成香より前面に感じられる。
第2アロマが強い発酵や醸造工程に由来する、パン、酵母、乳製品、バナナなどの香りが目立つ。
ニュートラル香りの個性が控えめで、特定の果実、花、植物などの品種香が強くない。
木樽からのニュアンスヴァニラ、ロースト、煙、香木、ヘーゼルナッツなど、木樽の使用を思わせる香りがある。
成熟度が高い白桃、アプリコット、パイナップル、マンゴーなど、よく熟した果実香が目立つ。

🍷赤ワイン用

第一印象

赤ワインの第一印象では、香りの強さだけでなく、果実の濃縮感、深み、複雑さを大きく捉えます。赤ワイン用コメントシートでも、第一印象には「閉じている」「控えめ」「開いている」「強い」「ミネラリー」「華やかな」「濃縮感がある」「深みのある」「複雑な」などの項目があります。

項目どのようなものかほかの項目との違い・選び方
閉じている香りが立ちにくく、現時点では得られる情報量が少ない状態。
果実や花の香りが弱く、スワリングしても香りの要素を明確に捉えにくい場合に使う。
「控えめ」は、香りの要素は確認できるものの、強さが穏やかな状態。
「閉じている」は、本来香りを持っていそうであるにもかかわらず、現時点では十分に現れていない状態を表す。
温度が低すぎる場合や、グラスに注いだ直後にも閉じているように感じることがある。香りの強さだけでなく、香りの種類をどの程度捉えられるかで判断する。
控えめ香りの量が少なく、穏やかな印象。軽めの赤や、香りが強くない品種で使いやすい。
開いている香りが自然に広がっている状態。標準的に香りが取れる場合に選ぶ。
強い香りの主張が明確。濃い赤、熟度の高い赤、樽香がある赤で候補。
ミネラリー鉄、石、金属などを連想させる、硬質で引き締まった印象。果実の甘さよりも、無機質で硬い印象が前面にある場合に候補とする。「鉄分」は血や金属をより具体的に思わせる表現であり、「ミネラリー」はワイン全体から受ける広い印象として使う。
華やかな花や赤系果実が明るく香る印象。ピノ・ノワール、ガメイ、マスカット・ベーリーAなどで候補。
濃縮感がある果実の密度が高く、凝縮した印象。カシス、ブラックベリー、ブラックチェリーなど黒系果実と相性がよい。
深みのある単純な果実香だけでなく、樽、土、スパイス、熟成香が重なる印象。華やかさよりも、落ち着きや奥行きを示す。
複雑な果実、花、植物、樽、熟成香が多層的に感じられる。熟成赤や、要素の多い赤で候補。

果実

赤ワインの果実香は、「赤系果実 → 黒系果実 → 乾燥果実」の順で考えると整理しやすくなります。赤ワイン用コメントシートでは、果実欄にイチゴ、ラズベリー、ブルーベリー、カシス、ブラックベリー、ブラックチェリー、干しプラム、乾燥イチジクが並んでいます。

項目どのようなものかほかの項目との違い・選び方
イチゴ明るく甘酸っぱい赤系果実。淡い色調、軽やかな赤で選びやすい。ラズベリーより甘く柔らかい。
ラズベリー酸があり、ややシャープな赤系果実。イチゴより酸が立ち、ブルーベリーより赤い印象。
ブルーベリー赤系と黒系の中間にある、丸みのある果実香。ラズベリーより黒く、カシスほど硬くない。
カシス黒すぐりを思わせる、濃く、やや硬質な黒系果実の香り。「ブルーベリー」より黒く引き締まり、「ブラックベリー」より酸味を連想させる硬い印象がある。カベルネ系などで候補になることがあるが、品種名だけを根拠に選ばない。
ブラックベリー黒く熟したベリーの香り。カシスより野性味や厚みを感じる場合に選びやすい。
ブラックチェリー黒系果実でありながら、チェリーの丸さや甘さを持つ香り。ブラックベリーより果肉感があり、メルロや濃いピノでも候補。
干しプラム黒系果実が乾燥した、甘く重い香り。若い赤より、熟度が高い赤や熟成感のある赤で候補。
乾燥イチジク甘く複雑な乾燥果実の香り。干しプラムより複雑で、熟成感が強い場合に選びやすい。

花・植物

赤ワインの花・植物は、花、青さ、ハーブ・樹木、熟成・土系に分けるとわかりやすいです。赤ワイン用コメントシートでは、バラ、スミレ、牡丹、ゼラニウム、ピーマン、トマト、黒オリーブ、メントール、シダ、ローリエ、杉、針葉樹、ユーカリ、ドライハーブ、タバコ、紅茶、スーボワ、キノコ、トリュフ、土などが並んでいます。

項目どのようなものかほかの項目との違い・選び方
バラ赤い花の華やかで甘い香り。スミレより甘く、華やか。ピノ・ノワールやマスカット・ベーリーAで候補。
スミレ紫色の花を思わせる上品な香り。バラより落ち着き、牡丹より軽い。シラーやカベルネ・フランでも候補。
牡丹ふくよかで濃い花の香り。バラより重く、スミレより厚みがある。
ゼラニウムゼラニウムの葉や茎をこすったときのような、青さとやや刺激的な薬草感を伴う香り。「バラ」や「スミレ」のような純粋に華やかな花の香りとは異なり、葉や茎を思わせる青さがある。明確に青く、やや薬草的な花・植物香を感じる場合に候補とする。
ピーマン青い野菜の香り。カベルネ系の青さで候補。トマトより青く、植物的。
トマト青さと赤い野菜感を併せ持つ香り。ピーマンより丸く、赤い野菜の印象がある。
黒オリーブ熟した黒オリーブ、塩漬けの実、やや土っぽい植物香を思わせる香り。「ピーマン」より青さが少なく、熟した実の印象がある。「メントール」のような清涼感とは異なる。シラーなどで候補になることがあるが、品種名だけで選ばない。
メントールすっとする清涼感。ユーカリより樹木感が少なく、清涼感そのものに近い。
シダ湿った緑、森の下草のような香り。ドライハーブより湿り気があり、スーボワより若い植物感。
ローリエ乾いた料理用ハーブの香り。ドライハーブより具体的。南仏・イタリア系の赤で候補。
杉材、鉛筆を削ったときの木、乾いた木箱などを思わせる香り。「針葉樹」より具体的で、乾いた木材の印象が強い。「ユーカリ」のような清涼感は弱い。カベルネ系や樽熟成した赤で候補になることがあるが、実際の木質香を優先する。
針葉樹杉や松など、森や樹木を思わせる香り。杉より広く、ユーカリより清涼感は弱い。
ユーカリ清涼感のある樹木香。メントールに近いが、より樹木・葉の印象がある。
ドライハーブ乾燥したハーブの香り。ローリエより広い表現。南仏、イタリア、熟成赤で候補。
タバコ乾燥したタバコ葉、葉巻、タバコ箱などを思わせる香り。「紅茶」より重く乾いた葉の印象があり、「なめし皮」より植物的。熟成や樽を伴う赤で候補になることがあるが、産地や品種だけを根拠に選ばない。
紅茶乾いた紅茶葉、茶葉を蒸らしたときの落ち着いた香り。「タバコ」より軽く、「ドライハーブ」より茶葉の印象が明確。熟成したピノ・ノワールなどで候補になることがあるが、実際の熟成香との整合性を確認する。
スーボワ森の下草、湿った落ち葉、熟成感を伴う香り。キノコより広く、土より森の印象が強い。
キノコ菌類を思わせる湿った香り。スーボワより具体的で、トリュフより軽い。
トリュフ湿った土、腐葉土、きのこに、濃厚で独特な菌類のニュアンスが重なった香り。「キノコ」より香りが強く、土や熟成の印象が深い。「土」は直接的な土っぽさ、「スーボワ」は森の下草を含む広い印象。高級感ではなく、香りの濃さと複雑さで判断する。
直接的なアーシーさ、土っぽさ。スーボワやキノコより具体的に土を感じる場合に選ぶ。

香辛料・芳香・化学物質

赤ワインのこの欄は、スパイス、樽・ロースト、動物・肉・鉄分、その他の熟成香に分けて考えるとよいです。赤ワイン用コメントシートでは、黒胡椒、丁子、シナモン、ナツメグ、甘草、ヴァニラ、ロースト、コーヒー、チョコレート、煙、薫製、動物的なニュアンス、鉄分、生肉、グリエ、乾いた肉、なめし皮、樹脂、ヨード、ランシオなどが並んでいます。

項目どのようなものかほかの項目との違い・選び方
黒胡椒ピリッとした辛味を感じるスパイス香。シラー系で典型的。丁子やシナモンより甘さがない。
丁子クローブ。甘さと薬草感を持つスパイス香。シナモンより刺激的で、樽や熟成とも結びつきやすい。
シナモン甘く温かいスパイス香。丁子より柔らかく、ナツメグより甘い印象。
ナツメグ甘さと苦味を伴うスパイス香。シナモンより少し乾いており、複雑な樽香と相性がよい。
甘草リコリスのような甘く黒いスパイス香。黒系果実、樹脂、スパイスが重なる濃い赤で候補。
ヴァニラ甘い樽香。新樽のニュアンスがある赤で候補。ローストより甘い。
ロースト焼いた香ばしさ。樽や焙煎香の基本。ヴァニラより焦げ感がある。
コーヒー焙煎香、苦味、香ばしさ。チョコレートより苦く、ローストより具体的。
チョコレート甘苦いカカオの香り。黒系果実、樽、濃縮感のある赤で候補。
スモーキーな香り。薫製より食品感が弱く、樽や品種由来で出ることがある。
薫製燻した食品のようなスモーク香。煙より食品的。シラーや樽熟成の赤で候補。
動物的なニュアンス皮革、獣、熟成、野性味の総称。生肉、乾いた肉、なめし皮ほど具体化できない場合に使う。
鉄分血、鉄、金属を思わせる香り。「生肉」より金属的で、「ミネラリー」より具体的に血や鉄を連想する場合に選ぶ。
生肉血や肉を思わせるフレッシュな動物的香り。グリエより生々しく、なめし皮より若い印象。
グリエ焼いた肉、グリル香。生肉より加熱感があり、薫製より肉の印象が強い。
乾いた肉ジャーキー、熟成肉のような乾いた旨味。グリエより乾いており、なめし皮より肉寄り。
なめし皮革製品のような熟成香。動物的だが乾いている。生肉より熟成寄り。
樹脂松脂、樹木、やや薬品的な香り。針葉樹より濃く、甘草やヨードに近い場合もある。
ヨード海藻、薬品、消毒液などを思わせる独特な香り。「鉄分」より海や薬品を連想しやすい。明確に感じる場合に限定して選ぶ。
ランシオ長期熟成や酸化熟成によって現れる、ナッツ、乾燥果実、香辛料、古い木などを思わせる複合的な香り。単に劣化して「酸化した」状態とは異なり、熟成香として調和している場合に使う。通常の若い赤ワインでは選びにくく、明確な酸化熟成の特徴がある場合に候補とする。

香りの印象

赤ワインの香りの印象では、「若々しい」「嫌気的な」「熟成感が現れている」「酸化熟成の段階にある」「酸化した」「第1アロマが強い」「第2アロマが強い」「ニュートラル」「木樽からのニュアンス」などが使われます。

項目判断の目安
若々しいイチゴ、ラズベリー、カシスなどのフレッシュな果実香が中心で、熟成香が目立たない。
嫌気的な酸素との接触が少ない状態を思わせる、還元的でややこもった印象。硫黄、マッチなどを思わせる香りを伴う場合がある。「閉じている」は香りの出方を示す表現であり、必ずしも同じ意味ではない。
熟成感が現れているタバコ、紅茶、スーボワ、キノコ、なめし皮などの熟成由来の香りが現れ、若い果実香だけではない状態。
酸化熟成の段階にある熟成によって果実香が落ち着き、乾燥果実、ナッツ、ランシオなどの酸化的な香りが調和して現れている状態。必ずしも欠陥を意味しない。
酸化した新鮮な果実香が大きく失われ、古いナッツ、傷んだ果実などの酸化香が支配的になっている状態。意図したスタイルを除き、ワインの劣化が疑われる。
第1アロマが強いブドウ由来と捉えられる果実、花、植物などの香りが明確で、発酵・醸造香や熟成香より前面に感じられる。
第2アロマが強い発酵や醸造工程に由来する香りが目立つ。赤ワインでは、発酵由来のエステルや醸造工程による香りを、果実・熟成香と区別して捉える。
ニュートラル香りの個性が控えめで、特定の果実、花、植物などの品種香が強くない。
木樽からのニュアンスヴァニラ、ロースト、コーヒー、チョコレート、煙など、木樽の使用を思わせる香りがある。

🔍似た選択肢の見分け方

白ワインで迷いやすい組み合わせ

  • 柑橘類/青リンゴ/リンゴ:柑橘類は酸と皮の爽やかさ、青リンゴは若く硬い果実、リンゴは少し丸い果実感。
  • リンゴ/洋梨/白桃:リンゴは中庸、洋梨は柔らかく丸い、白桃はより甘く華やか。
  • 白桃/アプリコット/マンゴー:白桃は上品な甘さ、アプリコットは黄色〜橙色、マンゴーは濃厚な南国果実。
  • マスカット/ライチ:マスカットは生食ぶどう、ライチはより甘くエキゾチック。
  • パイナップル/パッションフルーツ:パイナップルは甘酸っぱい熟度、パッションフルーツは酸と香りの強さが目立つ。
  • スイカズラ/アカシア/白バラ:スイカズラは白い花と蜜、アカシアは蜂蜜寄り、白バラは華やか。
  • ミント/ヴェルヴェーヌ/タイム:ミントは清涼感、ヴェルヴェーヌはレモンハーブ、タイムは乾いたハーブ。
  • 石灰/火打石/貝殻:石灰は白く粉っぽい、火打石はスモーキー、貝殻は海・塩・石灰質。
  • 花の蜜/蜂蜜/蜜蝋:花の蜜は軽い甘さ、蜂蜜は濃い甘さ、蜜蝋は蜂蜜にろう質感が加わる。

赤ワインで迷いやすい組み合わせ

  • イチゴ/ラズベリー:イチゴは甘く軽い、ラズベリーは酸がありシャープ。
  • ラズベリー/ブルーベリー:ラズベリーは赤系、ブルーベリーは赤黒中間。
  • カシス/ブラックベリー:カシスは黒すぐりの硬い香り、ブラックベリーはより熟して野性味がある。
  • ブラックベリー/ブラックチェリー:ブラックベリーはベリー感、ブラックチェリーは丸い果肉感。
  • 干しプラム/乾燥イチジク:干しプラムは黒い乾燥果実、乾燥イチジクはより甘く複雑。
  • バラ/スミレ/牡丹:バラは華やかで甘い、スミレは上品で紫の花、牡丹はよりふくよか。
  • ピーマン/トマト:ピーマンは青い野菜、トマトは青さと赤い野菜感。
  • メントール/ユーカリ:メントールは清涼感そのもの、ユーカリは樹木感を伴う。
  • タバコ/紅茶:タバコは乾いた葉と熟成、紅茶は茶葉的でエレガント。
  • スーボワ/キノコ/トリュフ/土:スーボワは森の下草や湿った落ち葉を含む広い印象、キノコは菌類の香り、トリュフは菌類と土が重なる濃く複雑な香り、土は直接的なアーシーさ。
  • 黒胡椒/丁子/シナモン:黒胡椒は辛味、丁子は薬草的な甘いスパイス、シナモンは温かく甘い。
  • ヴァニラ/ロースト/コーヒー/チョコレート:ヴァニラは甘い樽香、ローストは焼いた香ばしさ、コーヒーは焙煎、チョコレートは甘苦いカカオ。
  • 生肉/グリエ/乾いた肉/なめし皮:生肉はフレッシュな血肉感、グリエは焼いた肉、乾いた肉はジャーキー、なめし皮は熟成した革。

🪄品種別に選びやすい香りの目安

以下は、試験対策上の学習補助としての目安です。実際には、産地、熟度、醸造、熟成、提供温度によって香りは変わります。固定的に覚えるのではなく、「候補になりやすい香り」として整理してください。

白ワイン品種

品種候補になりやすい具体的な香り香り全体の印象
シャルドネ柑橘類、リンゴ、洋梨、白桃、石灰、火打石、ロースト、ヴァニラ、乳製品、ヘーゼルナッツ控えめ~豊かな。醸造方法や熟成による幅が大きい。
ソーヴィニヨン・ブラン柑橘類、青リンゴ、パッションフルーツ、ミント、ヴェルヴェーヌ、タイム、石灰フレッシュな、華やかな、若々しい。
リースリング柑橘類、青リンゴ、白桃、アプリコット、菩提樹、蜂蜜、ペトロール若々しい~熟成感が現れている。高い酸を連想させる引き締まった印象。
甲州柑橘類、青リンゴ、リンゴ、フレッシュアーモンド控えめ、ニュートラル、若々しい。石灰、貝殻、海の香りなどは、実際に感じる場合に候補とする。
ゲヴュルツトラミネールライチ、マスカット、白バラ、キンモクセイ、ジンジャーブレッド、麝香華やかな、力強い、熟度の高い。
ヴィオニエ白桃、アプリコット、マンゴー、スイカズラ、アカシア、花の蜜華やかな、熟度の高い、豊かな。

赤ワイン品種

品種候補になりやすい具体的な香り香り全体の印象
ピノ・ノワールイチゴ、ラズベリー、バラ、スミレ、紅茶、スーボワ、キノコ、土華やかな、若々しい~熟成感が現れている。
ガメイイチゴ、ラズベリー。醸造方法によってはバナナやキャンディ。開いている、華やかな、若々しい。
カベルネ・ソーヴィニヨンカシス、ブラックベリー、ピーマン、杉、メントール、タバコ、ヴァニラ、ロースト濃縮感がある、深みのある、複雑な。
メルロブルーベリー、ブラックチェリー、干しプラム、チョコレート、なめし皮開いている~濃縮感がある。熟成により深みが現れる。
シラー/シラーズブラックベリー、ブルーベリー、黒胡椒、スミレ、黒オリーブ、生肉、グリエ、煙濃縮感がある、力強い、複雑な。
サンジョヴェーゼラズベリー、ブラックチェリー、スミレ、ドライハーブ、タバコ、鉄分、土若々しい~熟成感が現れている。果実と土・ハーブが重なりやすい。
テンプラニーリョブラックチェリー、干しプラム、ヴァニラ、ロースト、なめし皮、タバコ熟度の高い、木樽からのニュアンス、熟成感が現れている。
ネッビオーロバラ、スミレ、乾燥イチジク、タバコ、紅茶、なめし皮、トリュフ華やかな、深みのある、熟成感が現れている。
マスカット・ベーリーAイチゴ、ラズベリー。スタイルによってはキャンディ、樽由来の甘いスパイス。開いている、華やかな、若々しい。

※品種別の記載は、試験対策上の候補を整理した目安です。同じ品種でも、産地、成熟度、醸造方法、樽の使用、熟成によって香りは変化します。品種名だけを根拠に選ばず、実際の香りを優先してください。


📝試験での使い方

白ワインの場合

  1. まず若々しいか、熟度が高いかを見る。
    淡く若い白なら、柑橘類、青リンゴ、リンゴを中心に考えます。色が濃く、香りに厚みがあれば、白桃、アプリコット、パイナップル、マンゴーを候補にします。
  2. 花やハーブは、香りが明確な場合に足す。
    華やかなら白バラ、アカシア、キンモクセイ。清涼感があればミント、ヴェルヴェーヌ。乾いた印象があればローリエやタイムを考えます。
  3. 樽・乳製品・熟成香は外観と味わいに合わせる。
    ヴァニラ、ロースト、乳製品、ヘーゼルナッツ、蜂蜜、蜜蝋などは、香りだけでなく色調や味わいの厚みとも整合させると選びやすくなります。

赤ワインの場合

  1. まず果実香の方向を確認する。
    赤系果実、黒系果実、乾燥果実のどの方向が中心かを確認します。外観が淡い場合は赤系果実、濃い場合は黒系果実を仮説として置きやすくなりますが、色の濃さだけで決めず、実際の香りを優先します。
  2. 熟成感があるかを見る。
    若い赤ならフレッシュな果実と花が中心です。熟成感があれば、干しプラム、乾燥イチジク、タバコ、紅茶、スーボワ、キノコ、なめし皮などを候補にします。
  3. 植物・スパイス・樽を確認する。
    青さがあればピーマンやトマト、清涼感があればメントールやユーカリ、スパイスがあれば黒胡椒、丁子、シナモンを考えます。木樽のニュアンスがあれば、ヴァニラ、ロースト、コーヒー、チョコレートなどを候補にします。
  4. 動物・土・ランシオは慎重に選ぶ。
    生肉、乾いた肉、なめし皮、スーボワ、キノコ、トリュフ、ランシオは、若い果実主体の赤に多用すると不自然になります。明確に感じた場合に絞って選びます。

✅まとめ

香りの選択肢は、単語を丸暗記するだけでは本番で迷いやすくなります。白ワインでは「柑橘・青リンゴ系か、熟した白〜黄色果実か、樽・乳製品・熟成香があるか」を考え、赤ワインでは「赤系果実か、黒系果実か、乾燥果実・熟成香があるか」を考えると、選択の軸が安定します。

また、香りだけを単独で選ぶのではなく、外観、味わい、アルコール、酸、タンニン、余韻と整合させることが重要です。コメント全体として自然な組み合わせになっていれば、テイスティングコメントの精度は高まりやすくなります。

試験での出現頻度に関する注意

本記事における「選びやすい」「頻度が低い」「候補になりやすい」などの記述は、過去の公開模範解答や一般的な受験指導を参考にした、学習上の目安です。今後の試験で同じ傾向が続くことを保証するものではありません。

実際の試験では、頻出だから選ぶ、出現頻度が低いから選ばないという判断は避け、外観、香り、酸、アルコール、タンニン、ボディ、余韻との整合性を確認してください。

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