日本ワイン検定1級 テイスティング試験|2026年5月出題赤ワインの銘柄推定を試みた

🍷 はじめに:1級テイスティング試験に出た赤ワインの銘柄推定を試みる

2026年5月30日に実施された日本ワイン検定1級のテイスティング試験では、赤ワイン2種類の判定で大きく迷いました。

試験当日の筆者回答では、赤ワイン①をピノ・ノワール、赤ワイン②をツヴァイゲルトと判断しました。しかし、後日確認した公式回答では、赤ワイン①は「山梨県 カベルネ・ソーヴィニヨン 2018」、赤ワイン②は「中国・四国地方 シラー 2022」でした。

この記事では、その公式回答をもとに、実際に出題された赤ワインのワイン名を推定してみます。

なお、本記事は出題ワインの銘柄を公式に特定するものではありません。あくまで、公式回答の地域・品種・ヴィンテージと、市販されている候補ワインの情報を照合し、筆者が購入して飲み直した印象をもとにした、個人的な復習記録です。

そのため、「このワインが出題された」と断定するものではなく、「かなり有力な候補ではないか」という推定記事としてご覧ください。

✅ 公式回答と、今回推定した候補ワイン

まず、公式回答と、今回筆者が有力候補と考えたワインを整理します。

区分公式回答推定した候補ワイン候補としての見方
赤ワイン①山梨県
カベルネ・ソーヴィニヨン
2018
シャン・クレール
カベルネ・ソーヴィニヨン 樽熟成 2018
有力候補
赤ワイン②中国・四国地方
シラー
2022
広島三次ワイナリー
TOMOE シラー 2022
有力候補

もちろん、公式に銘柄が発表されているわけではないため、完全な特定はできません。

ただ、地域、品種、ヴィンテージの3条件がそろっており、さらに実際に飲み直した印象も試験当日の記憶とかなり重なったため、復習用の候補ワインとしては納得感がありました。

🔎 推定方法:地域・品種・ヴィンテージで候補を絞る

今回の推定では、クラフトワインショップ(株式会社CruX)を利用しました。

クラフトワインショップは、日本ワインを多く取り扱う通信販売サイトです。日本ワイン検定の学習者にとって、日本各地のワインを探しやすい入口の一つだと思います。

筆者は、公式回答で示された地域、品種、ヴィンテージを手がかりに、候補になりそうなワインを探しました。

具体的には、赤ワイン①については、次の条件で候補を絞りました。

  • 山梨県の赤ワインであること
  • 品種がカベルネ・ソーヴィニヨンであること
  • ヴィンテージが2018年であること
  • できればブレンドではなく、単一品種であること

赤ワイン②については、次の条件で候補を絞りました。

  • 中国・四国地方の赤ワインであること
  • 品種がシラーであること
  • ヴィンテージが2022年であること
  • できればブレンドではなく、単一品種であること

検索してみると、条件に近いワインはいくつか見つかりました。

ただし、品種を特定するテイスティング試験である以上、複数品種のブレンドワインよりも、単一セパージュのワインの方が候補として自然ではないかと考えました。

その結果、赤ワイン①については「シャン・クレール/カベルネ・ソーヴィニヨン 樽熟成 2018」、赤ワイン②については「広島三次ワイナリー/TOMOE シラー 2022」が候補として有力ではないかと考えました。

なお、この推定方法は完全なものではありません。流通経路や在庫状況、非公開の出題用ワインなど、外部からは確認できない要素もあります。そのため、あくまで学習用の推定として整理しています。

小瓶で見たときの印象

参考までに、候補ワインを小瓶50mlに入れた状態を比較してみました。

グラスに注いだときの色調とは印象がやや異なり、小瓶の状態では全体的に暗く、赤ワイン同士の違いも分かりにくく見えます。試験当日も、小瓶で見た印象とグラスに注いだ後の印象に差があり、外観判断でかなり迷いました。

左:シャン・クレール/カベルネ・ソーヴィニヨン 樽熟成 2018、右:広島三次ワイナリー/TOMOE シラー 2022。いずれも小瓶50mlに入れた参考画像。

特に赤ワインでは、小瓶の中で見ると液面が厚くなるため、グラスで見るよりも色が濃く、暗く沈んで見えやすいと感じました。そのため、試験本番では、小瓶の外観だけで品種や熟成度を決め打ちしない方がよいと思います。

🍷 赤ワイン①候補:シャン・クレール/カベルネ・ソーヴィニヨン 樽熟成 2018

候補にした理由

赤ワイン①の公式回答は、山梨県、カベルネ・ソーヴィニヨン、2018年でした。

この条件で候補を探したところ、シャン・クレールの「カベルネ・ソーヴィニヨン 樽熟成 2018」が有力に見えました。

山梨県のワインであり、品種はカベルネ・ソーヴィニヨン、ヴィンテージも2018年です。公式回答の条件とかなりきれいに一致します。

なお、同じ2018年の山梨県産カベルネ・ソーヴィニヨンとして、メルロを含むブレンドワインも候補に上がりました。しかし、今回は品種特定の試験であることを考え、単一品種であることを重視しました。

そのため、赤ワイン①の推定候補としては、シャン・クレールのカベルネ・ソーヴィニヨン 樽熟成 2018を第一候補としました。

出題ワインとして選ばれた理由を考える

もちろん、実際にどのような理由で出題ワインが選ばれたのかは分かりません。

ただ、候補ワインの商品説明を読んでみると、1級テイスティング試験に出題されるワインとして、いくつか納得できる要素があるように感じました。

シャン・クレールの「カベルネ・ソーヴィニヨン 樽熟成 2018」は、山梨県産のカベルネ・ソーヴィニヨンで、しかも2018年ヴィンテージです。

商品説明によれば、2018年は気温が比較的高かった一方で、夏の降雨や9月の台風などもあり、決して楽な年ではなかったようです。それでも、除葉、防除のタイミング、新梢管理、摘果を徹底したことで、着色が良く、酸も程よく残ったブドウになったと説明されています。

さらに、長期熟成を経ることで、豊かな果実味、適度な渋みと酸、柔らかな樽香を感じられるワインになったとされています。

この説明を読むと、日本ワイン検定1級のテイスティング試験において、かなり面白い出題対象だった可能性があります。

若いカベルネ・ソーヴィニヨンであれば、濃い紫、黒系果実、強いタンニンという方向で比較的分かりやすいかもしれません。しかし、2018年の樽熟成ワインとなると、熟成による色調変化、柔らかくなった果実味、樽香、酸、タンニンのバランスを見なければなりません。

実際、筆者も試験当日は、外観の赤褐色寄りの印象に引っ張られ、ピノ・ノワールを疑ってしまいました。

しかし、飲み直してみると、言われてみればタンニンや骨格はピノ・ノワールとは異なります。熟成感だけで判断するのではなく、品種由来の骨格を最後まで確認する必要があるという意味で、1級らしい出題だったのではないかと感じました。

長期熟成の日本ワインを探す難しさ

今回あらためて感じたのは、長期熟成した日本ワインを独学で探すのは、思った以上に難しいということです。

特に、2018年のカベルネ・ソーヴィニヨンのように、試験時点で7年以上熟成した赤ワインを、一般の酒販店で都合よく見つけるのは簡単ではありません。

日本ワインは小規模生産のものも多く、ヴィンテージ違い、在庫切れ、販売終了も珍しくありません。試験に出そうな品種をそろえるだけでも大変ですが、さらにヴィンテージや熟成状態まで考えると、独学の難度はかなり上がります。

その意味では、日本ワインの店 クラフトワインショップのように、日本ワインを広く扱う通販サイトを、事前演習用ワインを探す候補に入れておくのは、有益な戦術だと思います。

もちろん、そこで購入できるワインがそのまま試験に出るわけではありません。また、在庫状況も変わります。

それでも、地域、品種、ヴィンテージを手がかりに日本ワインを探せる場所を知っておくことは、1級テイスティング対策としてかなり有用です。

特に、熟成したカベルネ・ソーヴィニヨンや、日本産シラーのように、一般的なスーパーやワイン売場では見つけにくいワインを試しておきたい場合には、こうした日本ワイン専門の通販サイトを活用する価値は高いと感じました。

50mlと30mlで見た外観

シャン・クレール/カベルネ・ソーヴィニヨン 樽熟成 2018を50ml、30ml注いだ参考画像。

自宅で50mlと30mlを注いで比較したところ、同じワインでも見え方がかなり変わりました。

50mlでは液量が多い分、全体として色が濃く、やや黒っぽく見えます。一方で、30mlでは全体の色味が少し薄まり、色調やエッジのニュアンスが確認しやすくなりました。

外観はかなり褐色寄りに見えますが、エッジにはまだ赤みが残っており、日本ワイン検定の選択肢であれば「赤褐色」と表現しても十分に自然だと思います。

一方で、液量が多い状態や照明条件によっては、中心部が暗く沈み、「褐色」に近く見える場面もありました。このあたりが、試験本番で判断を難しくしたポイントだったと感じます。

試験当日の記憶と照らすと、30mlで見たときの色味の方が近い印象がありました。

もしかすると、本番でグラスに注がれていた量も30ml前後だったのかもしれません。ただし、これはあくまで極度の緊張下にあった筆者の記憶との比較であり、断定はできません。

飲み直して感じたこと

飲み直してみると、外観・味わいともに、試験当日の赤ワイン①の記憶にかなり近いと感じました。

特に、30mlで見ると、褐色がかったニュアンスがより見えやすくなり、当日ピノ・ノワールと迷った理由も理解できました。

試験当日は、赤褐色から褐色に見えたことや、熟成感を強く意識したことから、ピノ・ノワールを疑いました。

しかし、改めて味わうと、タンニンはピノ・ノワールよりも明らかにしっかりしているように感じます。一方で、タンニン自体は若いカベルネ・ソーヴィニヨンのように荒々しいものではなく、熟成によって丸みを帯びている印象もありました。

ソムリエ/ワインエキスパート試験の表現でいえば、「ビロードのような」という方向に近いのかもしれません。ただし、日本ワイン検定1級の解答用紙ではそこまで細かいタンニン表現を選ぶわけではないため、ここでは「ピノ・ノワールよりも骨格があるかどうか」を確認することが重要だと感じました。

言われてみれば、ピノ・ノワールのタンニンの弱さとは違い、赤ワインとしての骨格が残ります。この点は、カベルネ・ソーヴィニヨンとして見るべき要素だったのだと思います。

つまり、赤ワイン①については、外観だけで熟成したピノ・ノワールと思いこんだことが、大きな反省点だったと感じました。

試験当日の記憶との比較

項目試験当日の記憶候補ワインを飲み直した印象学習上の気づき
外観赤褐色〜褐色寄りに見え、ピノ・ノワールを疑った30mlでは褐色のニュアンスが見えやすい熟成したカベルネ・ソーヴィニヨンは外観だけでは危険
香り熟成感、落ち着いた赤ワインの印象樽熟成、熟成感、黒寄りの果実、落ち着いた香り香りだけでなく、味わいの骨格を見る必要がある
味わいピノ・ノワールにしては少し違和感もあったタンニンはそれなりにしっかりあるピノ・ノワールとの最大の違いはタンニンと骨格

🍷 赤ワイン②候補:広島三次ワイナリー/TOMOE シラー 2022

候補にした理由

赤ワイン②の公式回答は、中国・四国地方、シラー、2022年でした。

この条件で候補を探したところ、広島三次ワイナリーの「TOMOE シラー 2022」がかなり有力に見えました。

中国・四国地方に該当する広島県のワインであり、品種はシラー、ヴィンテージも2022年です。公式回答の条件と一致します。

シラーは、日本ワイン検定1級の受験者にとっても、そこまで頻出イメージの強い品種ではないかもしれません。

ただ、広島三次ワイナリーのTOMOE シラーは、日本産シラーを考えるうえで有力な銘柄の一つです。地域、品種、ヴィンテージが一致することから、赤ワイン②の推定候補として第一候補にしました。

出題ワインとして選ばれた理由を考える

赤ワイン①と同様に、実際にどのような理由で出題ワインが選ばれたのかは分かりません。

なお、赤ワイン②のシラーについては、後日、当該回の回答選択肢にシラーが含まれていなかった旨が公式に示されています。そのため、実際の試験問題としては、受験者が正しく選びようのない不備があったものと受け止めています。

ただし、もし回答選択肢にシラーが含まれていたならば、日本産シラーを1級テイスティングで問うこと自体は、十分に妥当な題材だったのではないかとも感じます。

特に、広島三次ワイナリーの「TOMOE シラー 2022」については、出題意図を想像しやすい部分があります。

同ワイナリーのTOMOE シラーは、2018ヴィンテージがG7広島サミットで使用された実績があり、日本産シラーを語るうえで象徴的な銘柄の一つと考えられます。

商品説明でも、自社圃場収穫、垣根方式、約12か月の樽熟成、スパイシーで野性味を感じさせる香り、果実味を感じる味わいがバランスよくまとまった飲みごたえのあるワイン、といった要素が示されています。

日本ワイン検定1級は、日本ワインをより深く理解し、その魅力を伝えていく「J.W.E.C.日本ワインマスター」を目指す試験でもあります。その観点から見ると、甲州やマスカット・ベーリーAのような日本を代表する品種だけでなく、国際品種であるシラーが日本でどのように表現されるのかを確認することには、一定の意味があるように感じます。

もちろん、これは筆者の推測にすぎません。ただ、TOMOE シラーのように、日本産シラーの可能性を感じさせるワインが候補だったと考えると、選択肢にシラーが含まれていれば、1級らしい興味深い題材だったとも受け取れます。

なお、TOMOE シラー 2022を飲み直してみると、海外のオーストラリアを中心とした濃厚なシラーズに見られるような、力強い黒系果実やジャムの香りが前面に出るタイプではありませんでした。むしろ、赤系果実、黒系果実、スパイス、野性味が比較的エレガントにまとまっている印象でした。

この「日本産シラーらしい表れ方」を知らないと、試験本番ではツヴァイゲルトや別の赤品種に寄せてしまう可能性があります。筆者がまさにそうでした。

50mlと30mlで見た外観

広島三次ワイナリー/TOMOE シラー 2022を50ml、30ml注いだ参考画像。

シラーについても、50mlと30mlでは見え方に差がありました。

50mlではある程度しっかりした赤ワインに見えますが、30mlでは色調がやや軽く見え、試験当日に感じたエレガントな赤ワインの印象に近いように感じました。色調だけであれば、過去に試飲したツヴァイゲルトによく似ています。

試験当日は、シラーと聞いて想像するほど濃厚で力強い印象ではなく、香りもやや控えめに感じました。

この点は、TOMOE シラー 2022を飲み直した印象とも、ある程度重なります。

飲み直して感じたこと

飲み直してみると、黒系果実のニュアンスは確かにあります。

ただし、オーストラリアのシラーズにあるような、力強い黒系果実やジャムのような香りが前面に出るタイプではありません。

むしろ、赤系果実のニュアンスもあり、香りは比較的穏やかで、エレガントな印象でした。

この点は、試験当日の「香りが薄く、ツヴァイゲルトかもしれない」と感じた記憶とも重なります。試験当日は香りが時間経過とともに飛んでしまったと焦ったのですが、赤①の熟成したカベルネ・ソーヴィニヨンに比べれば、香りが控えめでエレガントであったため、ツヴァイゲルトに寄せて考えてしまったのだと思います。

一方で、ツヴァイゲルトとは味わいの質感が異なります。

飲み直してみると、言われてみればシラーらしい果実味、スパイス感、骨格のようなものも感じられました。

日本産シラーを、海外の濃厚なシラーズのイメージで考えすぎると、かえって見誤るのかもしれません。

試験当日の記憶との比較

項目試験当日の記憶候補ワインを飲み直した印象学習上の気づき
外観濃厚というより、ややエレガントな赤ワインに感じた30mlでは比較的スマートな印象に見えるシラーでも日本産では重く見えすぎないことがある
香り香りが薄く、ツヴァイゲルトを疑った黒系果実はあるが、赤系果実もあり、香りは穏やか海外シラーズのイメージで決め打ちしない
味わいツヴァイゲルト寄りに考えたツヴァイゲルトとは異なる骨格やスパイス感があるシラーは黒系果実だけでなく、スパイス感や質感も見る

🤖 AIによる、学習用の推定回答例

ここでは、公式回答と、候補ワインを飲み直した印象をもとに、AIを用いて、解答用紙上で選びそうな選択肢を推定します。

なお、これは公式正答ではありません。実際の採点基準や模範解答を示すものではなく、あくまで学習用の推定回答例です。

また、公式回答や候補ワインの情報から、日本ワイン検定1級の選択肢に沿った推定回答を作る手順については、下記の記事で整理しています。

赤ワイン①:山梨県 カベルネ・ソーヴィニヨン 2018 の推定回答例を見る

赤ワイン①:山梨県 カベルネ・ソーヴィニヨン 2018

項目推定回答補足
清澄度輝きがある熟成感はあるが、濁りではなく清澄な外観として見る。
色調赤褐色2018年ヴィンテージで、熟成による褐色ニュアンスを想定。
濃淡中庸なカベルネ・ソーヴィニヨンとしては濃すぎず、熟成で落ち着いた印象。
粘性強いアルコール度数や樽熟成によるボリューム感を考える。ただし見た目は液量・温度でも変わる。
香りの特徴中庸な熟成感と樽由来の印象はあるが、若いカベルネのような強烈さより落ち着きを想定。
香りの印象黒すぐり、ブラックベリー、針葉樹、チョコレート、なめし皮カベルネ・ソーヴィニヨンらしい黒系果実、植物的ニュアンス、樽・熟成由来の香りを中心に考える。
甘味辛口赤ワインとして基本的に辛口。
酸味中庸な熟成により鋭さよりも落ち着きを想定。ただし日本産カベルネとして酸が残る可能性もある。
タンニン強いピノ・ノワールとの違いとして、ここを強く意識したい。ただし熟成により丸みはある。
アルコール11%以上13%未満候補ワインの表示アルコールを踏まえると、この選択肢が自然。
余韻中庸な樽熟成・熟成赤として短すぎないが、長いと断定しすぎない。

赤ワイン①では、外観だけでピノ・ノワールに寄せるのではなく、タンニンと骨格を確認することが重要だと感じました。

赤ワイン②:中国・四国地方 シラー 2022 の推定回答例を見る

赤ワイン②:中国・四国地方 シラー 2022

項目推定回答補足
清澄度輝きがある若めの赤ワインとして、清澄な外観を想定。
色調紫がかった赤2022年ヴィンテージで、若さを残した色調を想定。写真や液量によっては「赤」寄りにも見える可能性がある。
濃淡中庸な日本産シラーとして、極端に濃厚ではない印象。
粘性強い表示アルコールや樽熟成を踏まえると強い寄り。ただし、液量や温度によって見え方は変わる。
香りの特徴中庸な海外シラーズのような強烈な香りではなく、穏やかでエレガントな印象。
香りの印象ブルーベリー、ブラックベリー、ざくろ、胡椒、燻製赤系〜黒系果実に、シラーらしいスパイス感を加えて考える。
甘味辛口赤ワインとして基本的に辛口。
酸味中庸なエレガントな印象を踏まえ、中庸を中心に想定。
タンニン中庸な強すぎるタンニンというより、スマートな骨格を想定。
アルコール13%以上候補ワインの表示アルコールを踏まえると、この選択肢が自然。ただし体感としては重すぎない可能性がある。
余韻中庸な長大な余韻というより、バランスのよい余韻を想定。

赤ワイン②では、シラーを海外の濃厚なシラーズのイメージで考えすぎると、ツヴァイゲルトなど別品種に寄せてしまう可能性があると感じました。

📌 今回の検証で分かったこと

1. 小瓶・グラス・注ぐ量で、赤ワインの色調はかなり変わる

今回あらためて50mlと30mlで比較してみると、同じワインでも色の見え方がかなり変わることを確認できました。

特に赤ワインでは、液量が多いと色が濃く、黒っぽく見えやすくなります。

一方で、30ml程度にすると、色調やエッジのニュアンスが見えやすくなります。

試験本番では、小瓶の状態、グラスに注いだ量、照明条件によって見え方が変わるため、外観だけで決め打ちしすぎないことが大切だと感じました。

2. 熟成したカベルネ・ソーヴィニヨンは、外観だけではピノ・ノワールに見えることがある

赤ワイン①は、2018年ヴィンテージであり、試験時点では約7年半の熟成を経ていました。

そのため、若いカベルネ・ソーヴィニヨンのような濃い紫や黒っぽい赤ではなく、赤褐色寄りの熟成ニュアンスが見えやすかったのだと思います。

外観だけで判断すると、ピノ・ノワールや熟成系の赤ワインに寄せたくなります。

しかし、味わいのタンニンや骨格を見ると、カベルネ・ソーヴィニヨンとしての要素も確認できます。

つまり、赤ワイン①では、外観の熟成感に引っ張られすぎたことが大きな反省点でした。

3. 日本産シラーは、海外のシラーズほど分かりやすくない

赤ワイン②は、シラーと聞くと黒系果実やスパイスを強く想像します。

しかし、実際に飲み直すと、かなりエレガントな印象でした。

黒系果実のニュアンスはあるものの、赤系果実も感じられ、香りも穏やかです。

オーストラリアの濃厚なシラーズにあるような、強烈な黒系果実、ジャム、アルコールのボリューム感を想像すると、日本産シラーを見誤る可能性があります。

日本ワイン検定1級では、海外品種の典型像だけでなく、日本産ワインとしての表れ方を考える必要があると感じました。

4. ツヴァイゲルトとシラーの混同は起こり得る

試験当日は、赤ワイン②をツヴァイゲルトと回答しました。

飲み直してみても、当時ツヴァイゲルトを疑った理由は理解できます。

香りがそれほど強くなく、全体としてエレガントに感じられたため、濃厚なシラーではなく、ツヴァイゲルトの方を考えてしまいました。

ただ、改めて比較すると、ツヴァイゲルトとは味わいの質感が異なり、シラーの方がスパイス感や骨格に特徴があるように感じます。

今後同じようなワインが出た場合は、黒系果実の強さだけではなく、胡椒、燻製、赤系果実とのバランス、タンニンの質感も確認したいです。

⚠️ この記事の限界

本記事で推定したワインは、公式に発表された出題銘柄ではありません。

あくまで、公式回答の地域・品種・ヴィンテージと、市販されている候補ワインの情報を照合し、筆者が購入して飲み直した印象をもとにした推定です。

また、試験当日のワインは、提供温度、開栓状態、小瓶への移し替え、グラス、照明、注がれた量などによって、印象が変わる可能性があります。

さらに、同じワインであっても、ボトル差や保存状態、試飲時期によって印象が変わる可能性もあります。

そのため、「このワインが出題された」と断定するのではなく、「この候補ワインを飲み直すことで、試験当日の誤認理由を復習できた」という位置づけでお読みください。

📝 まとめ

2026年5月30日の日本ワイン検定1級テイスティング試験で出題された赤ワインについて、公式回答の地域・品種・ヴィンテージをもとに、銘柄推定を試みました。

赤ワイン①は、山梨県、カベルネ・ソーヴィニヨン、2018年という条件から、シャン・クレールのカベルネ・ソーヴィニヨン 樽熟成 2018が有力候補と考えました。

赤ワイン②は、中国・四国地方、シラー、2022年という条件から、広島三次ワイナリーのTOMOE シラー 2022が有力候補と考えました。

実際に購入して飲み直してみると、いずれも試験当日の記憶とかなり重なる部分がありました。

特に、カベルネ・ソーヴィニヨンは熟成による色調変化、シラーは日本産ならではのエレガントさが印象的でした。

今回の検証を通じて、1級テイスティングでは、品種の典型像だけでなく、日本産ワインとしての表れ方、熟成、注がれた量、小瓶とグラスの見え方まで含めて考える必要があると感じました。

結果的に、試験当日の誤答は悔しいものでしたが、飲み直してみると「なぜ迷ったのか」「どこを見ればよかったのか」がかなり整理できました。

1級テイスティング対策では、正解・不正解だけで終わらせず、実際に近い候補ワインを飲み直してみることも、かなり有効な復習になると思います。

また、公式回答から候補ワインを逆引きしてみることで、単に品種を暗記するだけでは見えにくい、日本ワイン検定1級らしい出題の奥行きも少し見えてくるように感じました。