🍷はじめに
2026年5月30日、日本ワイン検定1級のテイスティング試験を東京会場で受験してきました。
この記事では、当日の会場の雰囲気、筆者の回答再現、テイスティング中に迷ったポイント、AIによる想定採点、そして今後の学習対策を整理します。
特に今回は、赤ワインの色調でかなり苦戦しました。赤褐色なのか、褐色なのか。小瓶で見た色とグラスに注いだ後の色がどう違って見えるのか。これまで机上で勉強していた内容だけでは処理しきれない部分があり、非常に学びの多い試験でした。
注意:
本記事は、筆者が2026年5月30日に受験した日本ワイン検定1級テイスティング試験について、試験後の記憶をもとに整理した個人的な受験記です。公式正答・公式見解ではありません。ワインの印象は、温度、時間経過、注がれた量、グラス、照明、会場環境によって変化します。あくまで受験記・復習記録としてお読みください。
📝受験当日の状況
受験日時は、2026年5月30日 13時10分開始。東京会場で受験しました。
東京会場では、目視で43名分の受験座席が確認できました。大阪会場も同程度の規模だったと仮定すると、2026年5月30日の1級テイスティング試験の受験申込者は、東京・大阪合計で80名前後だった可能性があります。
もちろん、これは公式発表ではなく、あくまで当日の会場での観察に基づく推定です。
試験時間中の印象としては、苦戦している受験者が多かったように見えました。私自身も、赤ワインの色調でかなり混乱し、最後まで残っていました。目視の範囲では、受験者の多くが試験終了近くまで残っており、感覚的には7割程度が最後まで粘っていたように思います。
🧾本記事で整理する内容
- 当日の受験状況
- 白ワイン2種類・赤ワイン2種類の筆者回答
- 各ワインの同定方法と迷ったポイント
- 小瓶とグラスで色調が違って見える問題
- AIによる想定採点
- 今後の対策と自作教材の紹介
📌筆者回答の前提
以下では、各ワインについて、筆者が実際に選択した内容を再現します。
また、品種名や香りの印象は筆者の回答であり、公式正答ではありません。
🥂ワインイメージ
出題されたワインのイメージ色は、下記4つの通りでした。




🥂白①:ソーヴィニョン・ブランと回答
白①は、最初にかなり迷いました。第一候補は甲州、第二候補がソーヴィニョン・ブランでした。
香りが控えめで、すだちのような和柑橘の印象もあり、最初は「これは甲州ではないか」と感じました。しかし、余韻を確認すると、甲州らしい苦味で終わる印象がそこまで強くありませんでした。
一方で、のど越しの部分を検証すると、酸と芝生のような青さが出てきました。日本のソーヴィニョン・ブランは、ニュージーランドのような強い青臭さが出るとは限らないため、非常に分かりにくく判断に迷ったのですが、最終的にはソーヴィニョン・ブランに寄せました。
| 項目 | 筆者回答 |
|---|---|
| 品種 | ソーヴィニョン・ブラン |
| 清澄度 | 透明な |
| 色調 | 緑がかった黄色 |
| 濃淡 | 淡い |
| 粘性 | 弱い |
| 特徴 | 控えめな |
| 印象 | 青リンゴ / 洋梨 / レモン / 石灰 / 芝生 |
| アタック | 滑らか |
| 甘味 | 辛口 |
| 酸味 | 中庸な |
| 苦味 | 中庸な |
| アルコール | 11%以上13%未満 |
| 余韻 | 短い |
同定の決め手
- 最初は甲州を強く疑った
- ただし、甲州らしい苦味の終わり方ではなかった
- 酸と芝生っぽさが後から見えてきた
- 日本のソーヴィニョン・ブランとしては控えめなタイプと判断した
反省点としては、日本の「ソービニヨン・ブラン」をもうちょっと飲んでみる経験が必要だったのではないかと感じました。これは、世界基準のソービニヨン・ブランとは違うので、補正が必要でした。
🥂白②:ケルナーと回答
白②は、今回の中では最も分かりやすく感じました。
小瓶からグラスに注いだ時点で、甘やかな香り、キンモクセイのような花の印象、そして石油のニュアンスを感じました。この時点で、かなり早い段階からケルナーを第一候補にしました。
香りは豊かで、白①よりも明らかに分かりやすいタイプでした。
| 項目 | 筆者回答 |
|---|---|
| 品種 | ケルナー |
| 清澄度 | 透明な |
| 色調 | 緑がかった黄色 |
| 濃淡 | 淡い |
| 粘性 | 弱い |
| 特徴 | 豊かな |
| 印象 | 洋梨 / かりん / キンモクセイ / 石灰 / 石油 |
| アタック | 滑らか |
| 甘味 | 辛口 |
| 酸味 | 中庸な |
| 苦味 | 弱い |
| アルコール | 11%以上13%未満 |
| 余韻 | 中庸な |
同定の決め手
- 白①よりも香りが明確だった
- 甘やかで、キンモクセイのような花の印象があった
- 石油のニュアンスを感じた
- リースリング系にも近いが、全体のまとまりからケルナーと判断した
迷った点は、甘味です。試験中は辛口としましたが、振り返ると「やや甘口」の方が近かった可能性もあります。
それでも、品種としてはかなり手応えがあり、今回の得点源になっている可能性が高いと考えています。
🍷赤①:ピノ・ノワールと回答
赤①は、今回もっとも混乱したワインです。
小瓶の時点でも、グラスに注いだ後でも、色調が非常に分かりにくく感じました。赤褐色なのか、褐色なのか。今まで自分が見てきた日本ワインの赤とはかなり印象が異なり、ここで大きく動揺し時間を20分ほどロスしました。
色調としては、最終的に赤褐色と回答しました。ただし、試験後に振り返ると、褐色寄りに見えていた可能性もあります。
品種については、タンニンが弱く、淡い色調で、さらに熟成感があることから、ピノ・ノワールに寄せました。
| 項目 | 筆者回答 |
|---|---|
| 品種 | ピノ・ノワール |
| 清澄度 | 輝きがある |
| 色調 | 赤褐色 |
| 濃淡 | 淡い |
| 粘性 | 弱い |
| 特徴 | 中庸な |
| 印象 | ブルーベリー / スミレ / 紅茶 / なめし皮 / 腐葉土 |
| アタック | 滑らか |
| 甘味 | 辛口 |
| 酸味 | 中庸な |
| タンニン分 | 弱い |
| アルコール | 11%以上13%未満 |
| 余韻 | 中庸な |
同定の決め手
- 色がかなり熟成寄りに見えた
- 濃淡は淡い
- タンニンが弱かった
- 熟成感があり、長期熟成に向く淡い赤としてピノ・ノワールを想定した
反省点としては、果実の選択です。
試験中は混乱していたため、さくらんぼ、ストロベリー、イチゴジャムを選ばず、ブルーベリーやスミレに寄せました。しかし、ピノ・ノワールとして考えるなら、赤系果実をもう少し拾った方が自然だったかもしれません。
果実香がかなり薄まっていたため、紅茶、なめし皮、腐葉土といった熟成香をもっと多めに取るべきだった可能性もあります。
🍷赤②:ツヴァイゲルトと回答
赤②は、赤①で大きく混乱した後だったため、かなり難しく感じました。
香りが飛んでしまったように感じ、最初ははっきりした特徴がつかめませんでした。そこで、ワインを口に含んで噛むように確認し、タンニン分を見ました。
タンニンは弱く、熟成香もあまり強くありませんでした。フォクシーフレーバーはなく、赤系果実主体で、比較的若く、軽めの赤と判断しました。
品種はかなり迷いましたが、最終的にはツヴァイゲルトとしました。
| 項目 | 筆者回答 |
|---|---|
| 品種 | ツヴァイゲルト |
| 清澄度 | 輝きがある |
| 色調 | 紫がかった赤 |
| 濃淡 | 淡い |
| 粘性 | 弱い |
| 特徴 | 控えめな |
| 印象 | ストロベリー / ブルーベリー / ざくろ / さくらんぼ / スミレ |
| アタック | 滑らか |
| 甘味 | 辛口 |
| 酸味 | 中庸な |
| タンニン分 | 弱い |
| アルコール | 11%以上13%未満 |
| 余韻 | 短い |
同定の決め手
- 紫がかった赤に見えた
- 熟成香は強くなかった
- タンニンが弱かった
- 赤系果実主体で、香りは控えめに感じた
- 日本ワインの軽めのツヴァイゲルトとして想定した
ただし、ここは最も自信がありません。
ツヴァイゲルトであれば、もう少し赤〜黒系果実、スパイス、中庸なタンニンが出てもよかった気がします。その意味では、マスカット・ベーリーAなど、別の軽やかな赤系品種だった可能性も残ります。
また、「赤①」「赤②」を同時にグラスに注いだので、「赤①」で時間をロスした関係で、「赤②」評価時に香りが飛んでしまった感じがします。イレギュラーなケースが発生した場合などは、注ぐタイミングは変えたほうが無難かもしれません。
🔍小瓶とグラスで色調が違って見える問題
今回の試験で強く感じたのは、小瓶に入った状態のワインと、グラスに注いだ後のワインでは、色の見え方がかなり違うということです。
小瓶の場合、上から会場の照明は当たります。しかし、瓶の上部には銀色のキャップがあり、瓶口も狭いため、上方からの光が液体に入りにくいように感じました。
また、小瓶ではガラスの厚みと液体の厚みを通して色を見るため、グラスに注いで液面や縁を見る場合よりも、暗く、濃く、褐色寄りに見えやすいと感じました。
- 小瓶では赤ワインが全体的に、赤褐色〜褐色寄りに見える
- グラスに注ぐと、液面に光が入り、少し明るく見える
- 縁の薄い部分を見ると、本来の色調が判断しやすい
- 瓶の中心や底の色だけで判断すると、濃く見積もりやすい
今後、色調を練習する場合は、グラスでの色調サンプルだけでなく、小瓶に入った状態でどう見えるかも確認しておいた方がよいと感じました。
特に赤ワインでは、この影響が大きかったと思います。「赤①」はグラスに注ぐまで「赤」のワインだと思い込んでいましたので、「赤褐色・褐色」に見えたときに動揺しました。
また、容量は正確には確認できていませんが、体感としては30ml前後の小瓶に感じました。後述イメージのような下部が膨らんだ形状の瓶でした。スワリングを重ねると香りの変化が早いように感じました。
🧮AIによる想定採点
以下は、公式採点ではありません。筆者の回答をもとに、AIに参考評価させたものです。
採点条件は、次のように置きました。
- 1ワイン25点
- 4ワイン合計100点
- 合格ライン70点
- 各評価項目は同じ配点
- 印象5個は、それぞれ別配点として扱う(つまり、評価項目は1ワインあたり合計17個ある)
- 「同定の決め手」は採点対象外。ただし、判断の整合性を見る参考情報とする
実際の配点、部分点、品種項目の重みは公表情報だけでは確認できないため、以下は合否予測ではなく、回答の整合性を振り返るための便宜的な自己評価です。ただし、実際の配点、部分点、品種同定の重みは不明であるため、この点数は合否予測ではなく、自己分析用の目安にとどまります。
| ワイン | 品種正解時の想定点 | 品種不正解時の想定点 | コメント |
|---|---|---|---|
| 白① | 18〜21点 | 17〜20点 | 甲州と迷ったが、ソーヴィニョン・ブランとしての方向性はある |
| 白② | 21〜23点 | 19〜22点 | 今回の得点源候補。香りと品種の整合性が高い |
| 赤① | 17〜20点 | 16〜19点 | 色調と果実選択に不安。ただし熟成ピノとしての筋はある |
| 赤② | 15〜19点 | 14〜18点 | 品種が最も不安。方向性が合っていれば部分点は残る可能性 |
中心値で見ると、品種がある程度合っていれば70点は超えている可能性があると考えています。
一方で、赤①・赤②の両方で品種や主要印象を大きく外していた場合は、ボーダー付近まで下がる可能性があります。
想定される合否感
| ケース | 想定点 |
|---|---|
| 品種4本正解 | 合格可能性は高いが、外観・香味項目の失点次第 |
| 赤②のみ品種不正解 | 十分に可能性は残る |
| 赤①または赤②のどちらか不正解 | ボーダー上〜合格圏の可能性 |
| 赤①・赤②の両方が不正解 | 他項目の一致度次第で大きく変動 |
もちろん、これは公式採点を再現したものではありません。しかし、自分の回答のどこで点が残り、どこで失点しそうかを整理するには有効でした。公式の合否発表を待ちたいと思います。
🌧️今回の反省点
1. 赤ワインの色調で動揺しすぎた
赤①の色調で大きく混乱しました。赤褐色なのか、褐色なのか、判断ができず、その後の香りの取り方にも影響しました。
今後は、赤ワインの色調について、赤、赤褐色、褐色の代表色だけでなく、その境界例も見ておく必要があると感じました。
2. 香りが飛んだときの判断軸が不足していた
赤②では、香りが弱く感じられ、明確な品種特徴が取りにくくなりました。
このような場合には、香りだけではなく、色調、濃淡、酸、タンニン、余韻から候補を絞る必要があります。
3. 小瓶状態の見え方を軽視していた
試験会場では、小瓶に入ったワインを見て、そこからグラスに注ぎます。
小瓶の状態で見える色調は、キャップの影、ガラスの厚み、ラベルの白さ、会場照明の影響を受けます。特に赤ワインは、実際より濃く、赤、赤褐色、褐色が同一色に見えやすくなることがあります。例えば、グラスに注ぐ前に瓶を横に寝かして、光を十分透過させ色調の予想が正しいことを確認してから、開封すると安全なように感じます。
今後は、グラスの色調だけでなく、小瓶で見た場合の見え方も学習対象にしたいと思います。
☀️今後の対策
今回の受験を通じて、机上学習と実飲練習の両方が必要だと改めて感じました。
机上では、香りや品種の典型像を覚えることが重要です。しかし、実際の試験では、典型像どおりのワインばかりではありません。日本ワインでは、同じ品種でも、産地、造り、熟度、樽の有無によって印象がかなり変わります。
したがって、今後は次のように学習したいと思います。
- 香りの表現をグループで覚える
- 品種を単語暗記ではなく、候補を絞る判断軸として覚える
- 色調はグラスと小瓶の両方で確認する
- 赤ワインの熟成色に慣れておく
- 香りが弱い場合は、酸・タンニン・濃淡・余韻で補正する
🧪色調サンプル
今回の復習用に、グラスで見た場合の色調サンプルと、小瓶に入った状態の色調サンプルを作成しました。
特に赤ワインについては、赤褐色と褐色の境界が難しかったため、代表色だけでなく、境界色も見ておく必要があると感じています。
以下、画像の通りです。
- サンプル:ワイン色調サンプル一覧
- サンプル:小瓶色調サンプル一覧
小瓶では、グラスに注いだ状態よりも暗く・濃く見えやすいと考えています。そのため、本番では小瓶で大まかな傾向を見た後、最終的にはグラスに注いで、縁の色や液面の明るさを確認するのが安全だと思います。
色調は各区分を2つ細分化して、境界をイメージしやすいようにしています。
1. 白ワイン


2. 赤ワイン


💻自作CBT学習アプリ
日本ワイン検定の学習用に、CBT形式で練習できるWebアプリを作成しています。
4択問題を中心に、試験前の知識確認や、分野ごとの復習に使えるようにしています。
テイスティング試験についても、今回の受験を踏まえて、香りの表現、品種選択、色調判断を整理した教材を追加していく予定です。
📊自作テイスティング学習スライド
今回の受験対策として、テイスティング学習用のスライドも作成しました。
品種ごとの典型像、香りの印象、色調サンプルを視覚的に整理することで、試験中に候補を絞りやすくすることを目的としています。
- 自作したワインテイスティング 品種別パワーポイントへのリンク
- 自作したワインテイスティング 香りの印象パワーポイントへのリンク
今後、これらのスライドも公開できる形に整えていきたいと思います。
🎯まとめ
今回の日本ワイン検定1級テイスティング試験は、白ワインよりも赤ワインで大きく苦戦しました。
特に、赤ワインの熟成色、赤褐色と褐色の境界、小瓶とグラスでの見え方の違いは、事前の想定以上に難しかったです。
一方で、試験後に振り返ると、白②のケルナー、白①のソーヴィニョン・ブラン、赤①のピノ・ノワールについては、判断の筋はそれなりに通っていたように思います。赤②のツヴァイゲルトは不安が残りますが、方向性が大きく外れていなければ、外観・香り・味わいの一部で点が残る可能性はありますが、実際の配点次第で結果は大きく変わると思います。
今回の最大の学びは、次の点です。
テイスティングでは、品種を一発で当てにいくのではなく、外観・香り・味わいを組み合わせて、候補を段階的に絞ることが重要である。
机上では典型像を覚える。実飲では例外とズレを補正する。
日本ワイン検定1級のテイスティング対策では、この二つを両方やる必要があると感じました。
結果がどうなるかはまだ分かりませんが、今回の受験は、今後の学習教材作成にもつながる非常に大きな経験になりました。