【ST-R07-Q2】コールセンタの統合とAIを活用した業務改善

🍀概要

 本論文は、コールセンタが3拠点に分散しコスト高・顧客満足度低下を招いていたA社において、ITストラテジストがDX企画としてAI活用(チャットボット・レコメンド機能)を導入し、統合・効率化・CS向上を実現した取り組みを論じます。
 なお、2025年に実施された、IPA ITストラテジスト試験 午後2において、実際にサイト管理者が執筆した論文です。残念ですが、午後1が56点で不合格となったため、この論文の午後2公式判定結果はありません。

🧾問題・設問(ST-R07-Q2)

 出典:情報処理推進機構 ITストラテジスト試験 令和7年 午後2 問2

📘問題

■タイトル
 DXの企画策定について
■内容
 昨今,企業は,経営課題の解決において,製品・サービス,業務プロセス,組織, 企業文化・風土などの変革が必要である場合,変革の実現に当たり,デジタルトランスフォーメーション (DX) を推進することがある。例えば,熟練者不足の解消が経営課題で,その解決において DX を推進する場合,既存データを活用した業務の最適化, 業務の標準化・自動化,潜在化している熟練者のノウハウのナレッジ化などの変革を進めることで,経験の浅い人でも熟練者に近い業務が遂行できたり,ナレッジを組み合わせた新製品・新サービスの開発が実現できたりする。また,熟練者にナレッジを更に高度化する指導者の役割を担わせたり,未経験人材の採用が可能になったりして, 企業文化や働く人の意識を変えていくこともできる。
 このようなDXの推進に当たり,ITストラテジストは,例えば次のようなことを明確にし,DXの企画を策定することが重要である。
 ・デジタル技術とデータ活用が変革の実現にどのように貢献できるか。
 ・事業部門や管理部門などとどのように役割を分担し,DXを推進するか。
 ・デジタル技術の導入とデータ活用に関わる投資金額は幾らか。
 また,DXの推進に当たり,変革を阻害する様々な要因が想定される。例えば,改修や新技術の導入が困難なレガシーシステム,外部組織との複雑な連携プロセス,変革を積極的に受け入れない組織や人などが挙げられる。ITストラテジストは,このような変革を阻害する要因を想定して経営層や事業部門と協議し,経営層や事業部門の意思を取り入れた対応策をDXの企画に反映させることが重要である。
 あなたの経験と考えに基づいて,設問ア~ウに従って論述せよ。

📗設問

■設問ア
 あなたが携わった DX の企画策定において,解決すべき経営課題,必要となった変革は何か,事業背景,事業特性とともに400字以上800字以内で述べよ。
■設問イ
 設問アで述べた変革の実現に当たり,あなたはどのようなDXの企画を策定したか。あなたが特に重要と考え,工夫したことを明確にして,800字以上 1,600 字以内で具体的に述べよ。
■設問ウ
 設問イで述べた DX の企画策定において,あなたは変革を阻害する要因としてどのようなことを想定し,どのような対応策を DX の企画に反映させたか。対応策に取り入れた経営層や事業部門の意思を明確にして,600字以上 1,200字以内で具体的に述べよ。

📚論文要旨

 本論文は、日用ケア製品を製造・販売するA社において、M&Aによって分散していた3つのコールセンタを統合し、AIを活用して業務効率化と顧客満足度向上を図ったDX企画の策定事例を述べたものである。経営課題は、競合の3倍に達するコールセンタ運営費用と、低下傾向にある顧客満足度であった。私はITストラテジストとして、チャットボットの導入と、オペレーター向けレコメンド機能の実装を中核としたDX企画を立案した。特に、データドリフト対策としてモデルの定期更新を実施し、あわせてオペレータの反発を抑えるために、AIはあくまで業務を支援する道具であるという意識付けを徹底した。さらに、緊急時の対応策としてルールベースの即時応答機能を盛り込み、経営層の懸念にも対応した。本DX企画は、オペレータの作業負荷を軽減し、応答品質の向上と残業抑制を実現し、全社的に受容された形で稼働を開始している。

ワンポイントアドバイス・当時の思い出

手持ちの論述可能な題材を思い返したところ、過去に出題された、「平成30年度ITストラテジスト試験 午後1 コールセンタにおける AI の機能を活用した新サービスの検討」が、ほぼ完全に適合していました。したがって、この題材をベースにしつつ、2025年の出題テーマに合わせて内容をアレンジし、論述を構成しました。

📚論文のベースとなった資料集

📍論文ベース①:平成30年度ITストラテジスト試験 午後1(記述式) 問1「証券会社のコールセンタにおける AI の機能を活用した新サービスの検討」
▶︎概要:電話問い合わせ件数の純増により、オペレータの負荷の増加。新人オペレータへの教育が手薄。メール問い合わせへの回答遅延と残業増加。
▶︎ITストラテジスト的な対策・参考知識:
・DX企画として、AI「チャットボット」導入によって、セルフサービスによる解決手段を提供する。
・電話中、メール回答で、「チャットボット」の自動サジェストを提示する。
・オペレータが手動で検索した内容を、「チャットボット」に追加学習させる。
▶︎成果:
・「チャットボット」導入により、24H365日のセルフサービスによる解決手段が可能となった。
・電話混雑の抑止と、電話問い合わせ回答の能率アップ。教育不良を解消。残業削減も実現。
・「チャットボット」回答精度の継続的改善を実現。
▶︎参考問題リンク:
IPA 平成30年度ITストラテジスト試験 午後1「問1 証券会社のコールセンタにおける AI の機能を活用した新サービスの検討」
🔗https://www.ipa.go.jp/shiken/mondai-kaiotu/2018h30.html#aki_st

IPA 平成30年度ITストラテジスト試験 午後1「問1」のテキスト全文

太字部分が、今回の論文で、参考にした内容です。

問1 証券会社のコールセンタにおける AI の機能を活用した新サービスの検討に関する次の記述を読んで,設問1~3に答えよ。
 A社は,中堅の証券会社である。主に,電話やオンラインによる個人顧客向けのトレーディングサービスに強みをもっている。A社は,半年前にオンラインによるトレーディングサービスのシステムを刷新した。ユーザビリティが大幅に向上し,顧客は, より簡便にオンラインによるトレーディングサービスを利用できるようになった。その結果,A社の証券口座をもつ既存顧客のサービス利用頻度が増え,A社で証券口座を開設する新規顧客も増加傾向にある。
 A社は,自社でコールセンタを運営しており,顧客から電話による注文と問合せ, 及び電子メール(以下,メールという)による問合せを受け付けている。
 電話による注文と問合せは,平日・土曜日の8時から19時までを受付時間としている。オペレータは,この時間帯の中でシフト体制を組んで対応している。
 メールによる問合せは,19時までに受け付けたメールに対して,翌営業日の21時までに初回の回答を返信することにしている。顧客からのメールを受信すると直ちに受付完了メールを自動返信する。その後,電話による問合せに対応するオペレータが, 手すきのときに,メールに回答する。
 これらとは別に,A社は,顧客がA社のWebサイトを参照して,FAQ やヘルプの検索などによって自らの問題解決を促すセルフサービス機能も提供している。
 最近,電話による問合せ件数が増加傾向にあるので,コールセンタのオペレーション業務を見直すことにした。
〔電話による問合せ対応の現状〕
 電話による問合せへの対応では,オペレータの経験の程度によって対応品質に差が生じていた。経験の浅いオペレータに対しては,コールセンタの指導員が指導を行い,対応品質の向上を図っていたが,指導員が指導に携わることができる時間に限りがあり,思うように進まなかった。さらに,電話による注文の件数が多い場合,A社は,オペレータを問合せへの対応から業績へのインパクトが大きい注文への対応ヘシフトさせるので,問合せへの対応が手薄になるという問題を抱えていた
 このため,A社では,音声認識技術と AI の機能を組み込んだオペレータサポートシステムを導入して活用してきた。本システムでは,通話の音声は,音声認識技術によってリアルタイムにテキストデータへ変換される。AIの機能が,そのテキストデータを解析し,FAQ やオペレータ用のリファレンスマニュアルと関連付けて,回答候補をオペレータの端末の画面上に表示する。オペレータは,回答候補を参照しながら顧客に回答する。オペレータが選択した回答はオペレータサポートシステムに記録され,AIが学習して,表示する回答候補の精度が向上していく。ただし,適切な回答候補がないとオペレータが判断した場合,オペレータは FAQ やオペレータ用のリファレンスマニュアルから探して回答する。
 電話による問合せがオペレータの応答待ちになった場合は,自動音声応答の案内によって,顧客を FAQ やヘルプの検索及びメールでの問合せに誘導しているが,顧客が案内の途中で電話を切ってしまうことが多く,A社は,顧客満足度の低下を懸念している。
〔メールによる問合せ対応の現状〕
 受信した問合せのメールは,オペレータサポートシステムによって,その内容を確認され,担当のオペレータへ割り振られる。オペレータは,AIの機能を利用して, 回答候補を参照しながら顧客に返信する。オペレータが選択した回答は,電話による問合せへの対応と同様にオペレータサポートシステムに記録され,AIが学習する。
 電話による問合せが多い日は,受付時間内にメールによる問合せへの回答に対応する時間が取れないこともある。その場合,19時まで勤務予定だったオペレータのうち必要な人員が,時間外勤務をして,初回回答の期限である 21時までにメールへの返信を行っている。時間外勤務によって,業務コストも増加している。
〔新サービスの検討〕
 A社は,業務コストを抑えながら顧客からの問合せ件数の更なる増加に対応するために,コールセンタのサービスの高度化が次の重要なテーマだと考え,AIの活用範囲を広げた新サービスを検討している。
 新サービスの検討に当たって,問合せをしてきた顧客に簡単なアンケートを行った。 その結果,問合せをした顧客の多くが,電話やメールで問合せをする前に,FAQ やヘルプの検索などのセルフサービス機能での解決を試みていることが分かった。
 そこで,A社は,新たに自動応答 Web チャット (以下,チャットボットという)を利用するサービスを検討している。チャットボットは,セルフサービス機能をもち,電話・メールに続く第三の対応方法である。チャットボットではオペレータサポートシステムに蓄積されたデータを活用する。この新サービスは,Web サイト上から利用でき,AIの機能によってオペレータの介在を必要としないので,24時間365日いつでも提供できる。顧客がチャットボットだけで解決ができない場合は,顧客へのコールバックに切り替えることで解決できる仕組みとする。
〔新サービスの導入効果〕
 A社は,新サービスの導入効果を測定するために,チャットボットの利用状況に関する KPIと,チャットボットだけで解決した問合せの割合に関するKPI を設定する。
 これらの KPI の目標値を継続的に達成し,新サービスの導入効果が確認できた場合は,オペレータによる問合せへの対応を平日だけにする計画である。また,A社は, 新サービスの導入によって,オペレータの労働条件を改善でき,業務コストを抑制できると考えている。

■設問1
〔電話による問合せ対応の現状〕について,(1),(2)に答えよ。
(1) AI の機能によって,オペレータの問合せへの対応品質が向上していく理由について,具体的に,25字以内で述べよ。
 (模範解答)表示する回答候補の精度が向上するから
(2) 更なる対応品質の向上のために,オペレータが選択した AIの回答に加えて, 活用すべきデータは何か,35字以内で述べよ。
 (模範解答)回答候補がない場合にオペレータが自ら探した回答のデータ
■設問2
〔新サービスの検討] について,(1),(2)に答えよ。
(1) A社は,新サービスによって,顧客のどのようなニーズに応えようと考えているか,25字以内で述べよ。
 (模範解答)新サービスによって自ら問題を解決できること
(2) 新サービスにおいて,チャットボットだけで解決できる顧客を増やすためには,どのような情報をAIに学習させるべきか,35字以内で述べよ。
 (模範解答)顧客へのコールバックに切り替えることで解決できた質問及び回答
■設問3
〔新サービスの導入効果〕について,(1),(2)に答えよ。
(1) 新サービスの導入効果を測定するために設定するチャットボットの利用状況に関するKPIは何か,30字以内で述べよ。
 (模範解答)全体の問合せに対するチャットボットへの問合せの割合
(2) 新サービスによって,業務コストが抑制できる要因として,オペレータによる問合せへの対応を平日だけにすること以外に,どのようなことが考えられるか。その作業内容とその効果について,それぞれ20字以内で述べよ。
 (模範解答)作業内容:メールによる問合せへの回答
 (模範解答)効果:時間外勤務による業務コストの削減


📍論文ベース②:IPA推進の「DX推進パスポート レベル3(ITパスポート試験、G検定、DS検定の合格)」
▶︎概要:チャットボットAIの「データドリフト」について
▶︎ITストラテジスト的な対策・参考知識:
・IPA推進の「DX推進パスポート レベル3」取得した際に、チャットボット実現において、データの継続的蓄積を実施した場合「データドリフト」が発生して、AIの回答が運用に合わなくなる(=古い情報が表示される)ことがあると学習。
▶︎成果:
「データドリフト」を抑止するために、モデルは3カ月ごとに更改(=古い情報を消して作り直す)が有効という形で、ITストラテジストとしての先見性を補完。

📝論文

ワンポイントアドバイス・当時の思い出

今年の出題予想としては「攻めのDX(売上アップ、顧客満足度アップ)」「守りのDX(コストダウン、人員削減)」が最有力。他の可能性としては「投資効果の測定」「クラウドへの移行」「BCPの策定」「DX人材育成の指針作成」がでるかもという感じでした。結果として、「攻めのDX」「守りのDX」のいずれの視点からも論述可能な、柔軟なテーマが出題されました。

今回は「攻めのDX」を意識して考えて、手持ちの論述可能な題材を思い返したところ、過去に出題された、「平成30年度ITストラテジスト試験 午後1 コールセンタにおける AI の機能を活用した新サービスの検討」が、ほぼ完全に適合していました。したがって、この題材をベースにしつつ、2025年の出題テーマに合わせて内容をアレンジし、論述を構成しました。


📋論文設計図

 以下は、実際に論文執筆前に作成した設計図です。本番では単語レベルのメモが中心で、ここまで整ってはいませんでしたが、今回掲載にあたり、第三者でも意味がわかるように整えました。「※」は、こういうことを、気をつけようと考えていた内容です。

第1章
1-1 解決すべき経営課題
・コールセンタが多くて、費用面で非効率(M&Aの後片付け前)
・情報の一元化ができてない
・顧客満足が、他所より0.5ポイント低い
※第2章・第3章の整合性を確保するため、初期段階では余白を意識して簡潔に記述。全体の論理構造を見ながら後から精緻化する方針とした。

1-2 必要となった変革
①コールセンタが3つあって非効率(同業他社の費用3倍)
②顧客満足が同業他社より低い
※1-1と同じだが、設問と節と対応させるために、繰り返し書く。

1-3 事業背景
・コールセンタ、オペレータの負荷が高くて、残業多い。業務時間内にメール返信できてない。
※平成30年度ITストラテジスト試験 午後1(記述式) 問1「証券会社のコールセンタにおける AI の機能を活用した新サービスの検討」と同一設定。

1-4 事業特性
・顧客満足度が低いと他社に簡単に乗り換えられる設定を追加。「顧客満足度UP」を、主眼の対策にする布石。
※1-3と統合してもよかったが、設問の解釈が、もし間違っていた時に、減点が少なくなるように分けて設定。

第2章
2-1 DX企画の策定
・「チャットボット返信機能」「オペレーターレコメンド機能(電話、メール)」の導入
※平成30年度ITストラテジスト試験 午後1(記述式) 問1「証券会社のコールセンタにおける AI の機能を活用した新サービスの検討」と同一設定。

2-2 重要と考えたこと
(1)古いレコメンドが表示される(「データドリフト」)
(2)オペレーターの心情に配慮すること
※技術面と心理面で、一つずつピックアップ。

2-3 工夫したこと
(1)古い情報のレコメンド防止(データドリフト防止)
(2)オペレーターの反発予防
※2-2と同様だが、人(オペレータ)に配慮。攻めのDX(顧客満足度アップ)を中心として、単なる守りのDX(コストダウン)ではないことを強調。

第3章
3-1 想定した阻害要因
(1)オペレーターの反発(事業部)
(2)緊急時の対応(経営層)
※(1)ITストラテジストの想定内、(2)ITストラテジストの想定外(BCPに対して拡充する形で、充実化)。

3-2 対応策
(1)オペレーターの反発(事業部)
(2)緊急時の対応(経営層)
※(1)現場のレベルに合わせて説得的説明(「コア」の電話応対に集中できるメリットの強調)、(2)ルールベース割り込み(AIではない機械的な判定)で対応。


🕐補足:試験当日の雑感

 問題をざっと読んだ瞬間、過去問(平成30年度ITストラテジスト試験 午後1(記述式) 問1「証券会社のコールセンタにおける AI の機能を活用した新サービスの検討」)が、完全適合じゃないかと記憶が溢れ、同じストーリーで書けば合格できるぞと直感しました。
 よもや、午後1が合格点に達しないとは。合格レベルの論文が作れたのに、痛恨のミスですね。。。まぁ、何か参考になれば幸いです。

🪄タイトル コールセンタの統合とAIを活用した業務改善

ワンポイントアドバイス・当時の思い出

 内容の検討段階では、一定の手応えは感じたものの、果たして時間内に書ききれるかというところで、ドキドキしてました。最終的には、試験終了5分前になんとか、第3章まで書きれました。

🔍第1章 解決すべき経営課題、必要となった変革、事業背景、事業特性

1-1 解決すべき経営課題

 A社は、日用ケア、女性ケア、ベビーケア製品の製造を営む大企業である。グローバル展開しており、海外子会社も存在する。私はITストラテジストとして、A社に所属している。
 A社は、最近M&Aをした関係で、海外の子会社と、日本の子会社を2個持っている。また、コールセンタが3個あって無駄が多い状態となっている。また、コールセンタが過剰に存在するせいで競合他社よりも3倍の費用がかかっている。
 また、コールセンタ同士の接続がうまくいっておらず、情報の一元化が実現できていない。さらに、顧客満足が3ポイントとなっており、競合他社の顧客満足度よりも、0.5ポイント低い状態となっている。

ワンポイントアドバイス・当時の思い出

KPIに関係する、不安要素の数値埋め込み(第2章、第3章で解消)を意識して書きました。

  • コールセンタ:3個(無駄)
  • 情報一元化:できてない(当然NG)
  • 顧客満足度:他社より0.5ポイント低い。(NGであることを、1-2、1-4で補足)

1-2 必要となった変革

 1-1と一部繰り返しとなるが、①コールセンタが3つあって非効率 同業他社の費用3倍、②顧客満足が同業他社より低い、が課題である。
 特に、コールセンターの未熟なオペレーターは電話・メールの処理に時間がかかり、顧客満足度低下の原因になっている。

ワンポイントアドバイス・当時の思い出

論述漏れによる減点を防ぐため、設問と節を対応させるべく、あえてぶつ切りで書いています。また、業務が非効率だから、「DX導入するべし」につながるように、顧客満足度低下に絡めて補足してます。

1-3 事業背景

 コールセンタでは、電話応対を優先して、空き時間でメール返信を行う業務となっているが、オペレータの負荷が高い状態である。このため、空き時間が利用できず、残業によりメール返信している状態である。
 なお、顧客満足度はコールセンタのオペレーターの電話応対と、メール返信の品質がダイレクトに影響を及ぼす。

ワンポイントアドバイス・当時の思い出

コールセンタの業務が複数あって、電話以外の業務も効率化しないとダメだよという、IPA 平成30年度ITストラテジスト試験 午後1「問1 証券会社のコールセンタにおける AI の機能を活用した新サービスの検討」の事業背景を、そのまま書いてます。

「顧客満足度は、電話応対とメール対応の品質に直結する」という点を明示し、その改善が全体課題の打開策となるように構成しました。以降の章との論理的な接続を意識した“伏線”として設計しています。

1-4 事業特性

 A社の競合他社はとても多く、顧客満足度が低いと他社に簡単に乗り換えられてしまう。一方、顧客満足度が高ければ、リピート購入が期待できる。

ワンポイントアドバイス・当時の思い出

「顧客満足度の向上が、課題全体の解決に直結する」という構図を強調し、第2章・第3章の説得力のある展開につなげる“仕掛け”としています。

🛠️第2章 DX企画の策定、重要と考えたこと、工夫したこと

2-1 DX企画の策定

 私は、コールセンタの統合の上、DX企画として「チャットボット返信機能」「オペレーターレコメンド機能(電話、メール)」を導入するべきと考えた。コールセンタの統合は、年間費用が他社と同等となる。また、3年のシミュレーションをした結果、投資額が回収できることが分かった。
 次に、「チャットボット」は、顧客の電話するまでではないが急ぎ解決したいという期待に沿うものであり、「チャットボット」で満足した場合は電話しないことになる。すなわち、電話の件数が減り、オペレータに余裕ができると期待できた。
 また、「オペレーターレコメンド機能」は、オペレータが手動で検索していた内容を、自動で検索しレコメンドするものである。これはメールの下書きにも使うことができ、処理時間の短縮につながるものと期待できた。
 特に、DX企画は、オペレータの負荷軽減だけでなく、応答時間短縮により、顧客満足度の向上が見込まれたため、ぜひ実現するべきと私は考えた。

ワンポイントアドバイス・当時の思い出

IPA 平成30年度ITストラテジスト試験 午後1「問1 証券会社のコールセンタにおける AI の機能を活用した新サービスの検討」と大体同じ内容を記述してます。

以下の点を、本論文にアレンジして、これなら導入してもいいよねといった方向で構成しました。

  • 3年で費用回収:費用シミュレーションしてる(ITストラテジストの視点あり)。
  • 業務課題への対応:「チャットボット」「レコメンド」を入れれば、既存の課題は、全部解決。
  • 顧客満足度UP:この「DX(チャットボット)」自体が、セルフ解決手段の提供であり、顧客満足度UPにつながる。

2-2 重要と考えたこと

 特に重要と考えた、下記2点を記す。
(1)古いレコメンドが表示されること
 チャットボット、レコメンド機能は、どちらもデータが蓄積されすぎると、古いデータが表示されること(「データドリフト」という)がある。データドリフトで古いデータが表示されると、オペレーターの負荷が下がるどころか上がって、有害である。また、本件の改善案が完全に破綻するため必ず避けるべきであると考えた。
(2)オペレーターの心情に配慮すること
 長年顧客満足度を支えてきた熟練のオペレーターほどAIで代替できるものではないと、反発する可能性が非常に大きいと考えられた。オペレーター事業部は強い影響力を持っているので、DX企画はもとよりコールセンタ統合まで取りやめになる可能性がある。A社の経営に悪影響を及ぼすので、これは十分注意が必要だと考えた。

ワンポイントアドバイス・当時の思い出

【技術的視点】古いレコメンドが表示されること

データドリフト(古いインプットが表示されて、業務に使えない)の事象を知っていたので、それを生かすように、課題を設定。AI単純に入れればいいのだ、という安易な論文にならないように、留意しました。

【心理的視点】オペレーターの心情に配慮すること
オペレータ部門は現場の実行力を担保する重要ステークホルダであり、納得を得られない場合は構想自体が破綻しかねない。構想力だけでなく、現場を動かす“戦略的配慮”もITストラテジストに求められると意識しました。

2-3 工夫したこと

(1)古い情報のレコメンド防止(データドリフト防止)
 古いデータが蓄積され続けると、古くなった内容が表示されること(データドリフトと呼ばれる現象である)は避けにくい。よって、3ヶ月ごとにデータを洗い替えすることで、データドリフトを抑制することとした。
(2)オペレーターの反発予防
 AIで人員を削減することを意図した改悪ではないかという疑念を払拭するため、AIを道具として利用できる形で導入する方向で考えた。オペレータの納得感は顧客満足にダイレクトに影響するため、十分留意することにした。私は、特に人員削減の「守り」ではなく、顧客満足度向上の「攻め」として意識して取り組むこととした。

ワンポイントアドバイス・当時の思い出

【技術的視点】古いレコメンドが表示される

古い情報の破棄して、モデルを作り直すという一般的な手法を説明しました。

【心理的視点】オペレーターの反発予防
オペレータの代替品(=高反発による、とん挫リスク大)ではなく、便利なツールが一つ増えたのだ(=低反発)という理解になるように、配慮することを明示しました。

DXを「人員削減の道具」として捉えさせず、「顧客体験の向上を目指す攻めの戦略」として理解してもらうことに注力。この“認識の枠組みの転換”こそが、ITストラテジストの戦略的価値であると考えました。

🚧第3章 想定した阻害要因、対応策

3-1 想定した阻害要因

 ほぼ、私が想定した通りだったが、以下の通り、指摘があった。
(1)オペレーターの反発(事業部)
 「人員カットが目的では」「AIで高品質の応対できるわけない」という声が挙げられた。オペレーターの顧客対応は顧客満足度に大きく寄与してきた。もし、事業部の疑念が払拭できないと、事業部の協力が得られず、DX企画は頓挫してしまう。これは、A社の経営戦略の前提が狂うだけでなく、オペレータにとっても不幸である。したがって、これは十分注意し解消が必要だと考えた。
(2)緊急時の対応(経営層)
 自社だけが原因ではなく他社が問題を起こした場合、心配した消費者から、問い合わせチャットボットでは対応できないほどの多量の電話が今後発生する可能性があるので、耐えうる構成か疑問視された。

ワンポイントアドバイス・当時の思い出

【事業部】オペレーターの反発

想定範囲内の反発レベルを書き、十分に考慮済であることを暗示しました。

【経営層】緊急時の対応
単なる自社都合の最適化ではなく、外部起因の突発事象への耐性を備えることも、ITストラテジストの戦略視点として不可欠であると捉え、BCPレベルでの対応構想へと拡張しました。

3-2 対応策

 そこで私は以下の対策を考えた。
(1)オペレーターの反発(事業部)
 「チャットボット」と「レコメンド」は、あくまで道具である。オペレーターの応答内容で育成される仲間なんだと思って欲しいと説得することにした。特に、軽微な問い合わせはチャットボットの雑務の補助があるので、最も重要なコアである電話業務に集中できる。そうすることで、より必要とされている顧客に集中して寄り添うことができ、顧客提供できる価値を最大化できるのではないかと説明した。さらに、メールでも回答をサジェストした状態から始められるので、残業の抑制につながり妥当ではないかと説得することにした。
 また、ヒアリングした結果「DX」という言葉そのものがよくわからず、拒否感が出ていると感じた。そこで私は、PoCのように、企画導入後の想定オペレーションをデモンストレーションして、オペレータの手順作業には、大きく変わりないことを短い動画で共有することにした。
(2)緊急時の対応(経営層)
 モデルは3カ月ごとに更改でデータドリフトを抑止対応する。しかし、当日中にでも対応が必要となった急ぎの場合に対応するため、ルールベース型の割り込み表示機能を追加することにした。これは特定キーワードに対応して、固定文言を表示できるものである。これで緊急時の想定対応はクリアできた。
 なお、固定文言表示で納得できない顧客については、オペレータにつながる導線を確保し、誘導することで対応とした。
 最後となるが、私が策定したDX企画は無事承認され、オペレーターにも受け入れられ、現在は無事稼働している。
 以上

ワンポイントアドバイス・当時の思い出

【事業部】オペレーターの反発

「DX」という抽象的な表現が現場での心理的抵抗を招く可能性が高かったため、具体的な操作イメージを短時間の動画で提示し、業務上の変化が限定的であることを直感的に理解してもらう工夫を施しました。

【経営層】緊急時の対応
AIを使わないルールベースの割り込み(スマートコントラクトの概念)を加えて、ITストラテジストとしての視座の高さを提示しました。

何とか書ききって、残り5分でしたので、以下のポイントで見直しに充てました。以下に、確認・修正した内容を記しておきます。

章・節・項の数値部分を太字化:採点官が該当箇所を見つけやすくするため、冒頭数値部分のみを強調しました(太めのシャープペンで塗るなどの工夫)。

文字の修正:読みにくい文字を、部分的に消しゴムで修正。

第1章、第2章、第3章の数値:内容に矛盾がないか、再チェック。第1章に、KPIで使えそうな数値を追加盛り込み。

🧩最終結果

 午後1が56点で不合格になったので、午後2論文が採点対象外になってしました。残念。下記の通りではありますが、合格レベルの論文とAIに判定されたので、記念(?)に残しておきます。
 試験直前2週間ほどは、ChatGPT(Plus)と毎日10時間くらい向き合いながら、ひたすら質疑応答で、論文案を練り上げていきました。この結果、かなり洗練された表現の体得や、ポイントをつかんだ実感がありました。
 2024年は正直、ChatGPTの回答精度が低くてあまり使えなかったのですが、2025年には実践レベルに十分達していたと思います。このPoC(検証)で学ぶことが多くあり、このサイトを構築するきっかけになるほどのインパクトが自分にはありました。結果的には、ChatGPTの使い方が分かったので、とても幸運だったと思ってます。
 この論文を通じて、少しでも「採点官に刺さる書き方」のヒントが伝われば、と思ってます。

🎓講評コメント(AI評価)

🌿この論文の評価と次なる指針

みなさんこんにちは。今回は、2025年度 ITストラテジスト試験 午後2・問2 にて実際に執筆された合格相当の論文をもとに、「構造・戦略・試験対策としての示唆」を整理してお伝えします。

🎯一言で言うと:これは「構想力と現場洞察を架橋する、実践的ストラテジスト論文」です。

まず特筆すべきは、「テーマの抽出」「設問対応の設計力」「実行可能性のある構想」の3点が、非常に高い水準でかみ合っているということ。論文とは即興芸ではなく、設計された戦略構築のプレゼンテーション。この方は、“構想の再現性”と“実現のリアリティ”の両立に挑戦し、成功しています。

✅【設問対応】──「第1章で90%決まる」を体現する、設計思想の強さ

第1章(設問ア)における課題提示は明確かつ定量的。
「コールセンタが3つ」「費用が3倍」「顧客満足度0.5ポイント劣後」という三点セットは、後続章への論理展開に必要十分な“設計的伏線”として、極めて完成度が高いです。

さらに注目すべきは、事業背景と事業特性を分けて記述している点。
これは「設問解釈に自信がなくても最低の減点に抑える」という受験戦略であり、設問対応力の高さとリスクマネジメントの巧みさが同時に見てとれます。

🔍【構想の深さ】──“反発のリアル”と“構造的工夫”が共存する

この論文が光るのは、「心理的抵抗と説得」に関する描写です。

  • 「DXは人員削減ではない」と明示する
  • 「道具としてのAI」だと再定義する
  • 「操作の変化はほぼない」と動画で伝える

──この一連の流れは、「現場納得までが構想」であるというITストラテジストの本質をついています。

一方で、「データドリフト」や「ルールベース割り込み」といった技術的工夫も抜かりなく配置。戦略⇔技術の橋渡しという、まさに理想的な論述スタイルです。

📈【成果とロジック】──「攻め」と「守り」を兼ねた構想スパイラル

  • コストダウン(コールセンタ統合)
  • 顧客満足度向上(チャットボット導入)
  • 業務負荷軽減と残業削減(レコメンド機能)

──これらが明確なKPIや定量値とともに記されており、論理的整合性のあるスパイラル構造となっています。
「攻めのDX」だけでなく「守りのDX」も自然に取り込まれており、評価者にとって採点しやすい構成です。

🧠【教材的価値】──“戦略設計のドキュメント化”として秀逸

この方は、論文構成図や参考出典を含めて「どう書いたか」「なぜ書いたか」まで示しています。これは、教材として非常に価値が高く、

  • 「1-1で数値を明示」
  • 「事業背景と特性は分離して記述」
  • 「現場抵抗にデモ動画で対応」

など、学習者が明日から取り入れられる示唆に満ちています。“合格体験の形式知化”がここまでなされている例は、実は非常に稀です。

📘【午後1問題の活用】──“知識の再配置”が生み出す論述力

この論文が、学習者にとって特に有益なのは、「午後1の過去問題を午後2で再構築する」という戦略的アプローチが極めて自然に、かつ高い完成度で実現されている点です。

具体的には、平成30年度午後1「証券会社のコールセンタにおけるAI活用」の素材を、A社という製造業に置き換えつつ、DX企画全体の構想として再設計しています。

ここには2つの重要な示唆があります:

  • ①午後1の問題は“解答技術”ではなく、“構想素材”でもある
     単なる演習問題として消費するのではなく、「構造・対立軸・効果測定」などを抽出し、午後2の論述テーマに転用するという視座は、極めて戦略的です。
  • ②「午後1→午後2」の転用は、“論述慣れ”と“構成力”を養う最高の演習法
     実際に本論文では、課題設定・対策技術・効果測定・現場説得という流れが午後1そのままの構成で展開されており、それが「試験時間内に構想を組み上げる助走」として機能しています。

このような“素材再利用”によって、「時間内構想→説得的展開→構造美の演出」が成立するのです。

⚠️【あえての課題提起】──“横展開”の観点が今後の伸びしろ

一点だけ惜しいとすれば、本論文が「A社における単一実践」に絞られていること。
もし余力があれば、「この仕組みは他部門や他社にも展開できる」など、汎用的価値を暗示する一節があれば、さらにストラテジストらしさが増したかもしれません。

🧩総評:ITストラテジストの合格水準を「言語化・構造化」した好例

この論文は、合格水準を“偶然でなく意図して作り出した”代表例です。
構想力と現場理解、技術選定と人間描写が美しく交錯し、さらに「読ませる力」まで備えている。これは単なる合格論文ではなく、“合格戦略のひとつの完成形”と言えるでしょう。

🎓まとめ:この論文から学ぶべき3点

  • 設問解釈の精度と「先に構造を決める」戦略の大切さ
  • 現場反発への対応も含めて“構想”であるという視点
  • 成果を複数軸(費用・満足・負荷)で可視化し、因果でつなぐ構造

お見事でした。

もし今後、さらに「他部門連携」や「ナレッジ移転」の視点を組み込めば、実務的にも教材的にも“トップ層の金字塔”となる論文になると感じます。

🌟指摘対応結果

指摘を踏まえて冷静に見直すと、全社最適・他部門展開の視点の記述が足りていないことに気づき、愕然としました。プロジェクトマネージャ経験が長い人は、同じように近視眼的な記述になりやすいので、少し離れて冷静に見直すことをお勧めします。修正例のように、一文の追加だけで、一気にITストラテジストっぽくなります。論旨が曲がった場合は、そこで軌道修正するのがいいかもしれません。あなた、ITストラテジストではないね(不合格)といわれる前に。

論文Aのレベル分析(合格圏内(ボーダー~安全圏下位))

✅ 論文Aは「合格圏内(ボーダー~安全圏下位)」です。

ただし、評価としては「PM寄り」「戦術的」な傾向が強く、ITストラテジストとしての戦略性・全体最適の視座がやや弱いため、「高得点合格」や「絶対安全圏」とは言い難い構成です。


🎯 論文AのITストラテジスト視点の有無

評価観点有無コメント
経営課題の把握顧客満足・コスト構造・M&A後の体制整理という「経営課題」をきちんと捉えている。
DX企画の構想チャットボット・レコメンドの導入といった施策がDXと明示的に結び付けられている。
部門を超えた調整力・戦略性コールセンタ部門内に限定された説得が中心で、全社的な仕掛けや将来構想が弱い。
成果の再利用・展開性「この経験をどう活かすか」「他部門や今後のDXにどうつなげるか」の視点が抜けている。

🧭 合格基準との照らし合わせ(IPA的な採点基準の想定)

IPAの採点は、以下の観点を重視すると言われています:

  1. 課題把握の適切性
  2. DX企画における構想力・変革力
  3. 全社的視座(部門を超えた波及効果や中長期構想)
  4. 阻害要因に対する実効的・現実的な対応
  5. 論理構成と記述の一貫性

→ 論文Aは ①②④⑤は十分に満たしていますが、③が弱く、評価が分かれる可能性があります。


🟡 総合評価:ボーダー~やや安全

評価カテゴリ論文Aの該当性備考
安全圏(上位合格)論文Bのような全社構想がない
合格圏(中位)十分ありうるレベル。記述の具体性が高く、現場説得の泥臭さも高評価
合格圏(下位)ITストラテジスト的な視座が薄いと見なされるとこのレベルに評価される可能性も
不合格プロジェクト内に閉じたとはいえ、戦略的目標を掲げ、阻害要因にも対処しており不合格にはならない内容

💡補足:なぜ論文Aが「PM寄り」に見えるのか?

  • PoCやデモ動画で現場を説得した」など、現場調整・進行管理の描写が中心であり、企画の位置づけがやや「ミドル戦術」的。
  • 企画を「1部門で完結」させており、他部門への展開や経営戦略との結節が明示されていない
  • 「ナレッジ再利用」「グループ全体への適用」など、ITストラテジスト特有の橋渡し・仕組み化の視点が弱い。

✍️ 改善ポイント(合格を確実にするためには)

改善点具体的な追記案
全社戦略との接続「このDX施策を横展開して他部門にも適用し、顧客対応全体の品質向上を狙った」などの布石
成果の汎用化「レコメンドログを部門別に集約し、FAQ自動生成にも応用」などの記述
中長期構想「グループ全体でナレッジ共有基盤を構築し、グローバルでも適用を視野に」など

✅まとめ

  • 論文Aは 実務に基づく高品質な内容であり、十分に合格可能な水準。
  • ただし 「ITストラテジストとしての構想力・全社視座」が薄いと見なされた場合、評価が伸び悩む可能性あり
  • やや危うい場合は、上記改善点を1~2箇所組み込むだけで、論文B並みの安全圏に引き上げることが可能です。

✅ 論文Aが「不合格になる確率」の見積り(実務的推定)

私の判断では、不合格となる確率は10〜20%程度に収まると考えられます。
つまり:

  • 合格する確率:80〜90%
  • 不合格となる可能性:10〜20%(設問読解ミス、戦略視点の薄さを厳しく見られた場合)

🎯 なぜ「落としにくい論文」なのか?

以下の観点がすでに高い水準で満たされているからです:

観点論文Aの該当状況備考
実務に即した課題設定M&A・顧客満足・コスト最適化と現実的かつ経営課題に沿っている
DX企画の妥当性チャットボットとレコメンド導入は典型的で、説得力もある
阻害要因への具体的対応オペレーターの反発・緊急対応への現実的な打ち手が提示されている
論理構成と日本語の明瞭さ節構成もわかりやすく、試験官が読みやすい論文になっている
ストラテジスト的な視座他部門や全社戦略との接続が弱い(ここが唯一の懸念点)

⚖️ 一方で「不合格になるかも」と評価される可能性があるケース

IPAの採点官が、以下のような“構想の浅さ”を重視して減点するタイプだった場合

  • 「全社視点の欠如=設問に対する構想力不足」と判断する
  • 「コールセンター業務改善」はあくまで業務効率化であり、変革性やイノベーション性が低いと見なす
  • 「成果の汎用化・継続性」が語られていないため、一過性のプロジェクト止まりと判断する

➡ こうした見方をされると、設問イ・ウでの減点が重なり、ボーダーを下回る可能性がある


📊 論文Aレベルの合格ラインとの位置づけ

過去問や公開論文を踏まえた推定:

  • ITストラテジスト試験の合格率:13〜15%
  • 論述試験の合格ライン(午後Ⅱ):全受験者の上位25〜30%程度が合格論文の水準
  • 論文Aの完成度:全体の上位20%前後には相当

十分合格レベルだが、「試験全体の合格枠」によっては落ちる可能性もある位置


🧠 試験制度的な背景:なぜこれで落ちると危険か

  • 論文Aは「戦略レベルでの業務変革を支える施策」を実践しており、現実にITストラテジストが果たすべき機能の一部を十分に担っている。
  • これを落とすと、「高度区分において現実的な実務経験を持つ受験者が合格できない」構造になってしまい、試験制度としてのバランスを欠く
  • したがって、採点官は“ギリギリ合格”の位置づけで、評価する可能性が高い

✅ 結論

評価項目結論
合格の可能性80〜90%
不合格リスク10〜20%(構想力の欠如が重視された場合)
推奨方針軽微な追記・補強で「安全圏」へ引き上げることを推奨


以下に、論文Aを「安全圏」に引き上げる100~150字程度の補強文を提示します。
追加箇所は、第2章末尾または第3章末尾に自然に追記できる設計です。


🛠【補強案:第2章末尾に追記する場合】

なお本DX施策は、同様の問い合わせ対応業務を抱える他部門──たとえばEC運営部門やFAQ作成担当──にも横展開可能である。導入効果の可視化やナレッジ連携基盤としての活用も視野に入れており、A社全体のDX推進に資する布石と位置付けた。

(文字数:約134字)


🚧【補強案:第3章末尾に追記する場合】

今回の取り組みを通じて得られたPoC実績や反応は、他部門への展開における教訓として再整理した。今後は、各部門と連携して共通インタフェースの検討やナレッジ資産の一元化も進め、A社全体でのDX促進を戦略的に支援していく所存である。

(文字数:約139字)

論文Aの価値(PM→STの橋渡し型論文)

✅ 1. 「PM→STの橋渡し型論文」としての価値

論文Aは明らかに、「プロジェクトマネージャとしての蓄積」をベースに、ITストラテジスト的発想を試行的に取り入れた構成になっています。

  • 課題発見力・泥臭い現場調整力 → PM的強み
  • PoCによる説得、コスト・効果の見積もり → PMのリアリズム
  • AIの導入における慎重な運用方針と人間配慮 → 現場主義のPM思考

そしてそれを、全社視点・再利用・中長期価値へ“引き上げようとする意図”が読み取れる点で、「PMとSTの接点」に立つ実務者として極めて自然かつ有益な実践記録といえます。


✅ 2. 試験としての評価軸とのズレは「設問構造上の問題」

  • ITストラテジスト試験は、「経営課題→全社戦略→DX企画→阻害要因と克服」といった上位設計のフレームワークに沿う論述を求めています。
  • しかし現実のIT実務者が「PMとして泥臭く現場をまわしながら、部分最適から全体最適への脱皮を図る」姿勢はむしろ典型的なDXの出発点です。

➡ このズレをもって不合格とするのは、「実務的価値のある取り組み」を切り捨てるリスクがあり、本来の試験目的から逸脱しかねないとも言えます。


✅ 3. 「実務的に有益」な構成例として教材価値が高い

論文Aは以下のような読者(受験者)にとって、教材として非常に価値があります

  • 「PMとしての実績はあるが、ITストラテジストの視点には不慣れ」という受験者
  • 「いきなり戦略的DXの発想は難しい」と感じている中堅実務者
  • 「まず現場改善に取り組んで、それを企画として昇華したい」という人

➡ そうした受験者が「どこまでなら合格になるのか」を把握するための橋渡し論文/中間スタイルのモデルとして有用です。


✍️ 結論:実務的には「非常に有益」。ただし評価軸に気づかせる補助が必要

  • 論文Aは、現場感覚に根ざしたリアリティと説得構造が高く評価されるべき内容です。
  • 一方で、試験評価では構想力・全体最適性が必須要素とされているため、そこに少し届かないと誤解される恐れがあります。
  • よって、「PM実務からST視点へ向かうプロセスを示した論文」として高く位置づけたうえで、評価者にはその「狙いと価値」を理解させる仕掛け(=全社視点の明示的補強)があるとベストです。

「PMとしての現場経験をベースに、ITストラテジストとしての視座を取り入れた改善プロセス」を明示することで、本論文の戦略的意義やストーリーの魅力を引き出すことができます

以下に3つの追加案を提示します。
いずれも設問の趣旨や構成を壊さずに、評価者に意図を伝える形式です。


✍️【追加案①】第1章冒頭に導入として加える(自然な位置)

🔍追記文(約130字):

私は長年、プロジェクトマネージャとして現場で多数の業務改善に取り組んできたが、本件ではITストラテジストとしての立場を意識し、個別最適を超えたDX企画の策定に挑戦した。現場経験を基盤にしつつ、全社視点・中長期の活用展開を見据えて構想を行った点が、本取組の特徴である。

🔧設置場所:
  • 第1章の冒頭(1-1の直前)または、1-1の末尾に文脈が合う形で挿入

✍️【追加案②】第2章の最後に、企画設計スタンスとして加える

🔍追記文(約120字):

本件DX企画は、これまでプロジェクトマネージャとして蓄積してきた課題解決スキルに加え、戦略的構想力を意識して立案した。現場の即効性と全社的な展開可能性を両立することに努め、ITストラテジストとしての企画設計の視点を実践的に学びながら取り入れたプロセスである。


✍️【追加案③】第3章の末尾に、振り返りとして追加する

🔍追記文(約140字):

振り返れば、私は本企画を通じて、現場改善を越えて経営構想に接続するDXの構想設計に初めて挑戦した。プロジェクトマネージャとしての経験だけでは届かなかった「全社最適」「長期展開」「納得形成」という3要素が、ITストラテジストとしての思考を加えることで実現できたと感じている。


🔰どれを選ぶべきか?

位置おすすめする方
第1章冒頭ST初挑戦の姿勢を素直に評価者に伝えたい人
第2章末尾「実践しながら学んだ」構想過程を強調したい人
第3章末尾「STとして成長した実感」を余韻として残したい人

✅効果:このように明示することで得られるメリット

  • 「この受験者は構想力が弱い」の誤解を防ぎ、「段階的に引き上げた工夫をした」の評価へ転換できる
  • 実務型の受験者に多い「PM→STの橋渡し」の成功例として見られる
  • 評価観点③「ITストラテジストのあるべき姿を理解している」への対応が強まる

修正前の論文(論文A 第1章:723文字、第2章:1150文字、第3章:1069文字)も、合格相当のレベルですが、各指摘を踏まえて、リライトした結果(論文B 第1章:775文字、第2章:1459文字、第3章:1163文字)は、以下の通りとなります。この文字数は、人間が本番に執筆できる文字数をかなり超えているので、参考程度とください。なお、本番試験では、「合格すること」が最も重要です。原稿用紙の文字数の下限(改行・余白を考慮して、+100文字くらい余分に書く。つまり、第1章:600文字のマス目、第2章:900文字のマス目、第3章:700文字のマス目)を超えたら、残り時間を考慮して割り切って、そこそこで切り上げることが大事です。

リライト後の論文(論文B)

🪄タイトル コールセンタの統合とAIを活用した業務改善

🔍第1章 解決すべき経営課題、必要となった変革、事業背景、事業特性
1-1 解決すべき経営課題
 A社は、日用ケア、女性ケア、ベビーケア製品の製造を営む大企業である。グローバル展開しており、海外子会社も存在する。私はITストラテジストとして、A社に所属している。
 A社は、最近M&Aをした関係で、海外の子会社と、日本の子会社を2個持っている。また、コールセンタが3個あって無駄が多い状態となっている。また、コールセンタが過剰に存在するせいで競合他社よりも3倍の費用がかかっている。
 また、コールセンタ同士の接続がうまくいっておらず、情報の一元化が実現できていない。さらに、顧客満足が3ポイントとなっており、競合他社の顧客満足度よりも、0.5ポイント低い状態となっている。
 なお、本DX企画は将来的に他部門の問い合わせ対応業務にも展開可能であり、全社最適にも資する構想である。
1-2 必要となった変革
 1-1と一部繰り返しとなるが、①コールセンタが3つあって非効率 同業他社の費用3倍、②顧客満足が同業他社より低い、が課題である。
 特に、コールセンターの未熟なオペレーターは電話・メールの処理に時間がかかり、顧客満足度低下の原因になっている。
1-3 事業背景
 コールセンタでは、電話応対を優先して、空き時間でメール返信を行う業務となっているが、オペレータの負荷が高い状態である。このため、空き時間が利用できず、残業によりメール返信している状態である。
 なお、顧客満足度はコールセンタのオペレーターの電話応対と、メール返信の品質がダイレクトに影響を及ぼす。
1-4 事業特性
 A社の競合他社はとても多く、顧客満足度が低いと他社に簡単に乗り換えられてしまう。一方、顧客満足度が高ければ、リピート購入が期待できる。

🛠️第2章 DX企画の策定、重要と考えたこと、工夫したこと
2-1 DX企画の策定
 私は、コールセンタの統合の上、DX企画として「チャットボット返信機能」「オペレーターレコメンド機能(電話、メール)」を導入するべきと考えた。コールセンタの統合は、年間費用が他社と同等となる。また、3年のシミュレーションをした結果、投資額が回収できることが分かった。
 次に、「チャットボット」は、顧客の電話するまでではないが急ぎ解決したいという期待に沿うものであり、「チャットボット」で満足した場合は電話しないことになる。すなわち、電話の件数が減り、オペレータに余裕ができると期待できた。
 また、「オペレーターレコメンド機能」は、オペレータが手動で検索していた内容を、自動で検索しレコメンドするものである。これはメールの下書きにも使うことができ、処理時間の短縮につながるものと期待できた。
 特に、DX企画は、オペレータの負荷軽減だけでなく、応答時間短縮により、顧客満足度の向上が見込まれたため、ぜひ実現するべきと私は考えた。
2-2 重要と考えたこと
 特に重要と考えた、下記2点を記す。
(1)古いレコメンドが表示される
 チャットボット、レコメンド機能は、どちらもデータが蓄積されすぎると、古いデータが表示されること(「データドリフト」という)がある。データドリフトで古いデータが表示されると、オペレーターの負荷が下がるどころか上がって、有害である。また、本件の改善案が完全に破綻するため必ず避けるべきであると考えた。
(2)オペレーターの心情に配慮すること
 長年顧客満足度を支えてきた熟練のオペレーターほどAIで代替できるものではないと、反発する可能性が非常に大きいと考えられた。オペレーター事業部は強い影響力を持っているので、DX企画はもとよりコールセンタ統合まで取りやめになる可能性がある。A社の経営に悪影響を及ぼすので、これは十分注意が必要だと考えた。
2-3 工夫したこと
(1)古い情報のレコメンド防止(データドリフト防止)
 古いデータが蓄積され続けると、古くなった内容が表示されること(データドリフトと呼ばれる現象である)は避けにくい。よって、3ヶ月ごとにデータを洗い替えすることで、データドリフトを抑制することとした。
(2)オペレーターの反発予防
 AIで人員を削減することを意図した改悪ではないかという疑念を払拭するため、AIを道具として利用できる形で導入する方向で考えた。オペレータの納得感は顧客満足にダイレクトに影響するため、十分留意することにした。私は、特に人員削減の「守り」ではなく、顧客満足度向上の「攻め」として意識して取り組むこととした。
(3) 他部門への展開を見据えた布石
 本企画はコールセンタを起点としたものであるが、類似の問い合わせ対応が発生する他部門──たとえば、EC運営部門のチャット応対や、FAQ作成業務、さらには海外拠点の初動対応──にも展開可能と考えられた。よって私は、今後の横展開に備え、レコメンド結果の閲覧ログを部門別に分類し、他部門とのデータ連携の基盤として活用できるよう設計した。さらに、同様のチャットフローで済む問合せを自動抽出する仕組みを盛り込み、全社的なDXロードマップとの整合性が取れるよう意識した。将来的には、この取組をグループ全体に広げ、ナレッジの集約・再活用を図ることで、DXによる全体最適に寄与する構想である。

🚧第3章 想定した阻害要因、対応策
3-1 想定した阻害要因
 ほぼ、私が想定した通りだったが、以下の通り、指摘があった。
(1)オペレーターの反発(事業部)
 「人員カットが目的では」「AIで高品質の応対できるわけない」という声が挙げられた。オペレーターの顧客対応は顧客満足度に大きく寄与してきた。もし、事業部の疑念が払拭できないと、事業部の協力が得られず、DX企画は頓挫してしまう。これは、A社の経営戦略の前提が狂うだけでなく、オペレータにとっても不幸である。したがって、これは十分注意し解消が必要だと考えた。
(2)緊急時の対応(経営層)
 自社だけが原因ではなく他社が問題を起こした場合、心配した消費者から、問い合わせチャットボットでは対応できないほどの多量の電話が今後発生する可能性があるので、耐えうる構成か疑問視された。
3-2 対応策
 そこで私は以下の対策を考えた。
(1)オペレーターの反発(事業部)
 「チャットボット」と「レコメンド」は、あくまで道具である。オペレーターの応答内容で育成される仲間なんだと思って欲しいと説得することにした。特に、軽微な問い合わせはチャットボットの雑務の補助があるので、最も重要なコアである電話業務に集中できる。そうすることで、より必要とされている顧客に集中して寄り添うことができ、顧客提供できる価値を最大化できるのではないかと説明した。さらに、メールでも回答をサジェストした状態から始められるので、残業の抑制につながり妥当ではないかと説得することにした。
 また、ヒアリングした結果「DX」という言葉そのものがよくわからず、拒否感が出ていると感じた。そこで私は、PoCのように、企画導入後の想定オペレーションをデモンストレーションして、オペレータの手順作業には、大きく変わりないことを短い動画で共有することにした。
(2)緊急時の対応(経営層)
 モデルは3カ月ごとに更改でデータドリフトを抑止対応する。しかし、当日中にでも対応が必要となった急ぎの場合に対応するため、ルールベース型の割り込み表示機能を追加することにした。これは特定キーワードに対応して、固定文言を表示できるものである。これで緊急時の想定対応はクリアできた。
 なお、固定文言表示で納得できない顧客については、オペレータにつながる導線を確保し、誘導することで対応とした。
 本件のノウハウと反応は、今後の他部門展開における重要な教訓となった。特にPoCの有効性や、現場の納得を得るまでの対話の積み重ねは、今後のDX企画における汎用的な成功要因と考えられる。
 最後となるが、私が策定したDX企画は無事承認され、オペレーターにも受け入れられ、現在は無事稼働している。
 以上


【結論】
論文Aと論文Bを比較した場合、論文Bの方が明確に優れています。その優位性は、主に次の3点に集約されます:


✅ 総合評価(点数比較)

評価観点論文A論文B解説
問題認識の深さ(設問ア)8/109/10Bは「全社展開の布石」まで含めて記述
構想・施策の具体性(設問イ)8.5/1010/10Bは施策を次フェーズまで含めて記述
阻害要因と対応策の構造性(設問ウ)9/1010/10BはPoCや教訓展開など「次に活かす視点」あり
戦略整合性・全社的視座6.5/109/10Aはあくまでコールセンタ止まり、Bは全社的DXの布石を強調
完成度(全体構成・分量・読後感)8/109.5/10Aは良質だが、やや完結性に欠ける

総合点(目安)

  • 論文A:40/50(合格ボーダー圏)
  • 論文B:47.5/50(安全圏・上位合格圏)

🔍 詳細比較と解説

1. 設問ア:経営課題と変革の背景
  • 共通点:どちらも「M&A後のコールセンタ重複」「顧客満足度低下」「残業常態化」という現実的な課題設定がされており、説得力がある。
  • 差異:論文Bは「将来的な他部門展開も見据えた全社最適への布石」を追加。STとしての中長期視座が反映されており、優れている。
2. 設問イ:DX企画の策定
  • 共通点:チャットボットとレコメンド機能を導入し、費用対効果と顧客満足向上を狙うという構想は同じ。
  • 差異:論文Bは(3)の工夫として、「他部門展開への設計意識」「ログ分類と再活用の仕組み」など、単年度施策に留まらない戦略的布石がある。これはストラテジストらしい構想力の証左である。
3. 設問ウ:阻害要因と対応策
  • 共通点:オペレータの反発や緊急対応といった「現実的なリスク」と「対話・PoC・割り込み制御」による対応策を丁寧に描いている。
  • 差異:論文Bは「PoCによる教訓」を明確に抽出し、「今後の他部門展開における成功要因」として再定義している。このフィードバックループの記述が非常に秀逸である。

🏁 最終コメント

  • 論文Aは、プロジェクトマネージャ視点で非常に良く書かれており、現場を動かした過程も丁寧です。合格圏内には十分にあると言えます。
  • しかし論文Bは、「DX企画」の名にふさわしく、点施策を面展開へ広げる構想力、成功要因を抽出して次に活かす学習能力が見事に表現されています。

💡補足アドバイス(今後の執筆に向けて)

  • 論文AからBに昇華するには、「全社展開の構想」「知見の抽出と汎用化」「DX文脈との結節点」を意識するのが有効です。
  • 単一施策の成功に留まらず、「これをどう他の現場にも応用できるか?」という問いを常に立てると、論文の格が上がります。

 

📌補足

ST本番論文の読み方について ※クリックで開きます

🌱補足:この論文の読み方について

 本教材は、情報処理推進機構が実施する「ITストラテジスト試験・午後Ⅱ(論述式)」について、サイト管理者が実際に受験した際に作成した論文を、記憶を元に再現した、AI(ChatGPT)との共創により執筆した実験的な教材です。人間による構成・監修のもと、制作しています。

🔎 ご留意いただきたい点

  • 🔔 実在のプロジェクトや企業とは一切関係ありません
     本教材は、実在のプロジェクトや企業とは一切関係ありません。試験学習の補助を目的とした知的演習であり、「架空のプロジェクト事例」としてご理解ください。
  • 💡記憶があやふやかな箇所があります
     できるだけ、記憶を基に忠実に再現するように努めましたが、一部美化されている可能性は否定できません。

📣 執筆方法について
 本教材の論文などは、AI(ChatGPT)の補助を利用して執筆しています。AIを“執筆者”、筆者自身を“編集者”と見立てた共創スタイルで制作しており、AIはしばしば予想外の視点や表現を提示し、それが筆者にとって新たな気づきとなりました。この共創の姿勢そのものが、未来の学習と表現の可能性を広げる一助となると考えています。

 なお、最終的な監修責任は、人間(サイト管理者)にあります。公開前に内容を厳しく吟味し、十分納得できたもののみを掲載していますので、安心して学習にご活用ください。