🍀概要
本ページは、システム監査技術者試験の論述問題学習用に、一次情報を出所明示のうえ引用・要約した資料です。AI(ChatGPT 等)を用いた再構成を含み、正確性・最新性を保証しません。必ず原典をご確認ください。IPA 等の出題機関・規格団体とは無関係です。権利上の問題がある場合はお問合せまでご連絡ください。
🧾問題・設問(AU-R03-1-PM2-Q1)
出典:情報処理推進機構 システム監査技術者試験 令和3年 午後2 問1(🔗取り扱いガイドライン)
📘問題
■タイトル
RPAツールを利用した業務処理の自動化に関する監査について
■内容
近年,少子高齢化に伴う労働人口の減少,働き方のニーズの多様化などの課題に対して,企業などには働き方改革の推進が求められている。また,広域災害,感染症拡大などの状況下において,テレワークの活用も広がっている。
このような中,RPAツール(以下,RPAという)を導入する事例が増えてきている。RPAを利用してソフトウェアロボット(以下,ロボットという)を開発することによって,これまでPC上で人手を介して行っていた一連の業務処理を自動化することができる。また,RPAには,自動化したい業務処理の操作を記録する機能のほか,標準的な部品なども用意されているので,ユーザ部門でもドラッグアンドドロップなどの比較的簡単な操作でロボットを開発することができるという特徴もある。
一方で,ユーザ部門は,情報システムの開発,運用及び保守には必ずしも精通しているわけではない。したがって,ユーザ部門がRPAを導入してロボットを開発する場合,例えば,自動化の対象とする業務処理の選定を誤ったり,テストパターンが不足したりするなどのおそれがある。また,開発したロボットの運用管理,改変対応などの,運用及び保守体制・ルールなどが明確でないことから,ロボットが正しく稼働しなくなることもある。
システム監査人は,このような状況を踏まえて,RPAを利用した業務処理の自動化において,ロボットの開発,運用及び保守に関わるリスクを低減するためのコントロールが適切に機能しているかどうかを確かめる必要がある。
あなたの経験と考えに基づいて,設問ア~ウに従って論述せよ。
📗設問
■設問ア
あなたが関係する組織において計画又は実施しているRPAを利用した業務処理の自動化において,その概要と期待される効果,ロボットを開発,運用及び保守するための体制を,800字以内で述べよ。
■設問イ
設問アで述べた業務処理の自動化において,ロボットの開発,運用及び保守に関わるリスクを低減するためには,どのようなコントロールが必要か。リスクと関連付けて,700字以上1,400字以内で具体的に述べよ。
■設問ウ
設問イで述べたコントロールが適切に機能しているかどうかを確かめるための監査手続について,700字以上1,400字以内で具体的に述べよ。
📚事例集
ChatGPT Deep Researchを活用して、問題文の内容に近い、代表5業種の事例を分析した結果です。論文執筆のヒントになるものと思われます。
分析結果URL
https://chatgpt.com/s/dr_68aac2947fd08191adb31aee681a1138
製造業向けRPA監査エビデンスパック
- 要約: 製造業ではRPAによる定型業務自動化が、人手不足対策や業務効率化の手段として注目されていますbusiness.ntt-east.co.jpbusiness.ntt-east.co.jp。RPA導入により作業の高速化・正確化が実現し、ヒューマンエラー削減や現場負担軽減に効果が期待できます。一方、RPAの開発・運用には業務のブラックボックス化やシステム障害時の業務停止など固有のリスクが伴いassets.kpmg.com、ISOや内部統制基準に沿った管理策と監査プロセスが不可欠です。
- 現場課題: 製造業の現場では技能人材の慢性的不足や属人化が課題となっておりbusiness.ntt-east.co.jp、業務手順の標準化がRPA導入の前提条件です。古い生産管理システムとの連携調整や、品質最優先の現場文化から自動化変更への抵抗感も強く、**「RPA障害で生産ライン停止」**への不安がありますassets.kpmg.com。そのため一部工程でのパイロット導入や手動バックアップ手順の整備など、慎重な合意形成が必要となります。
- リスクと基準: 製造業RPAの主なリスクは、業務停止リスク: RPA障害が生産停止に直結する可能性assets.kpmg.com(BCPの観点で冗長化・代替手順整備が必要)、誤処理リスク: RPAは指示通り動作するため手順誤りに気付かず品質不良を招く恐れ(業務フローの文書化と例外検出統制で対応)、ブラックボックス化: RPA依存で担当者知見が失われ改善不能になる懸念assets.kpmg.com(変更管理ルールと文書共有で対処)、セキュリティリスク: ロボットIDの悪用等による機密データ漏洩の懸念assets.kpmg.com(ISO27001や個人情報保護法に基づくアクセス制御・認証強化が必須)などです。既存のIT統制やIPA指針に準じ、これらリスクに対応するコントロールを統制フレームワークに組み込む必要がありますfisc.or.jp。
- 有効性: RPAによって業務処理時間が短縮・正確性が向上し、生産計画の迅速化や在庫圧縮に寄与します。例えば複数システムにまたがるデータ転記をRPAが自動化することでリードタイム短縮と人的ミス削減を両立でき、経営上は残業削減や人員再配置の効果が得られます。一方、監査上はRPA依存による業務継続性の検証が重要です。重要プロセスでの許容停止時間(RTO)やデータ復旧目標(RPO)を定め、RPA停止時に人力で業務継続できるBCP策を講じているか確認しますassets.kpmg.com。また平均復旧時間(MTTR)等の保守指標を監視し、障害発生時の迅速復旧体制を評価することで、RPA導入が経営目標達成に資するか判断します。
- 統制設計の芯: 自動化プロセスにも人手プロセス同等の統制と透明性を確保することが統制設計の核心です。具体的統制目標として、(a)処理漏れ防止(完全性)、(b)手順変更への即応(正確性)superstream.canon-its.co.jp、(c)実行ログの記録とレビュー(可監査性)、(d)障害時の代替処理(継続性)が挙げられます。これらに沿い、権限分掌の確立(ロボット開発と承認の分離)、変更管理の徹底(本番移行前のテスト・承認手続)、処理結果の定期レビューやエラーチェックといった統制活動を組み込みます。RPAを内部統制の一部として組み込み、信頼性と柔軟性を両立させることが肝要です。
- 監査手続: 監査人はまずRPA管理規程・台帳を確認し、統制設計を理解します。主な監査手続には、文書レビュー: RPA設計書・テスト結果・変更履歴・ログ記録などを精査し、統制が文書化され意図通り運用されているか評価します。インタビュー: RPA推進担当者や現場ユーザーにヒアリングし、例外処理対応や障害発生時の対処フロー、現場の統制理解度を確認します。サンプリングテスト: RPAが実行した取引データを抽出し、原資料と照合して処理の正確性・完全性を検証します(例:在庫引当処理結果を抜き取り検算し過不足や遅延が無いか確認)。CAATs: ロボットのログファイルやエラーレポートを監査ツールで分析し、異常なエラー頻度や不正アクセスの痕跡をチェックしますbiz.moneyforward.com。必要に応じ現場観察も行い、RPAと人間作業のインターフェースや非常対応手順の実践状況を確認します。
- 体制・合意形成: 経営層支援の下、現場部門・IT部門・内部監査部門が連携するクロスファンクショナルな推進体制を構築します。例えば全社横断の「RPA推進委員会」を設置し、標準ルール策定・トレーニング計画を管掌します。役割分担は、現場部門が業務選定と要件定義、IT部門が技術支援とセキュリティ対策、監査部門が統制遵守チェックを担いfisc.or.jp、KGI/KPIを共有して全員が目標を認識します。例としてKGIを「年間○時間の作業削減」と定め、KPIとして「月次ロボット稼働時間」「処理エラー率」等を設定し進捗管理します。定例会議で現場の不安や課題を共有し、トップダウンとボトムアップ双方でリスク認識と目標を合意形成します。
- KPI例: 自動化率(自動化タスクの割合)、例外処理件数(RPAで処理できず人手対応となった件数/月)、RPA稼働時間(ロボットの実行総時間/月)、エラー発生率(エラー件数/総処理件数)、平均復旧時間(障害からの平均復旧所要時間)。これら指標の定義と目標値を設定し、RPA運用の効果と安定性を定期評価します。
- 監査リスクと限界: 本エビデンスパックは一般的製造業務を前提とした教育目的の要約でありsmash-sbc.com、実際の監査では各社固有の状況に応じた評価が必要です。RPAログ等証跡の信頼性が監査の前提条件ですが、改ざんや欠落があれば監査結論の妥当性が損なわれます。またRPAシナリオが頻繁に変更される環境では、監査結果の有効期間が限定されるため継続監査が求められます。監査人側のIT知識不足もリスクとなるため、必要に応じ専門家の助言を仰ぐことが望ましいです。以上の前提・限界を踏まえ、統制不備の兆候にも注意を払い懐疑的な姿勢で証拠を検証することが重要となります。
- 参考リンク:
[1] KPMG「企業におけるRPA導入のリスクと対策のポイント」2016assets.kpmg.comassets.kpmg.com
[2] NTT東日本「製造業向けRPA導入のメリットや注意点とは?」2022business.ntt-east.co.jpbusiness.ntt-east.co.jp
[3] Bizクロ(Chatwork)「RPAと内部統制の問題点」2023bizx.chatwork.combizx.chatwork.com - 作成日・最終閲覧日: 2025-08-24(JST)
(※本資料は教育目的で関連情報を要約・再構成したものです)
小売業向けRPA監査エビデンスパック
- 要約: 小売業では多様化する消費者ニーズと人手不足への対応策としてRPA導入が進んでいます。受発注や在庫管理の定型処理を自動化することで業務効率と精度が向上し、ヒューマンエラー削減や現場負担軽減が期待できます。一方で、RPA導入には情報漏洩リスクや誤処理による顧客影響などの課題も伴うため、内部統制や個人情報保護の観点で適切な統制設計と監査が必要です。
- 現場課題: 小売業界ではネット通販拡大に伴う需要予測の難しさと多チャネル対応による業務負荷増大が課題となっています。顧客嗜好の変化が早く、手作業のデータ分析では対応しきれないため、RPAによるリアルタイムデータ集約・分析が求められます。また人材確保の困難さbusiness.ntt-east.co.jpも深刻で、店舗バックヤード業務をRPAで省力化し従業員を接客に専念させるニーズが高まっています。現場では既存POSや在庫システムとの連携調整が必要で、属人的な業務手順の標準化やスタッフ教育の負担も導入障壁となります。
- リスクと基準: 情報漏洩リスク: RPAが扱う顧客個人情報や購買データが流出する懸念bizx.chatwork.com(個人情報保護法やISO27001に基づくアクセス統制・暗号化対策が必須)。誤処理リスク: RPAのシナリオ誤りで価格設定や在庫引当ミスが生じる可能性(売価誤表示は景表法等にも抵触しうるため、例外検出ルール設定と業務フロー文書化が必要)。業務停止リスク: RPA障害で受発注処理が滞り機会損失となる恐れ(ピーク時にも備えたBCP対策が重要assets.kpmg.com)。野良ロボット発生: 店舗現場が独自にRPAを作成運用し管理不能となる危険(全社ガバナンス体制下での統制が必要)。これらに対し、特定商取引法や会計法令等の業界規制、NIST SP800-53の管理策などを参照し統制をマッピングします。例えばPOSデータ処理にRPAを使う場合、J-SOX上のIT統制として監査人と事前協議し評価範囲に含める等、法令基準に沿った管理策が求められます。
- 有効性: RPAにより在庫回転率の向上や欠品防止、顧客サービスの質向上が期待できます。例えば売上・在庫データ集計をRPAが行うことでリアルタイムな需要補充が可能となり、過剰在庫や欠品のリスクを軽減できますusknet.com。経営面では人的コスト削減や営業時間外の自動処理による機会損失防止などメリットが得られます。監査面では、RPA導入により一部内部統制が自動化されるため、IT全般統制(アクセス権限管理や変更管理)が適切に機能しているか評価する必要があります。また繁忙期にRPAが停止しても受注処理を継続できる体制(代替手順・予備リソース)が整備されているか検証することが、経営上のリスク低減につながります。
- 統制設計の芯: 小売業RPA統制の核心目標は「顧客情報と取引データの完全性・機密性を保ちつつ業務を自動化する」ことです。具体的には、(a)受発注データの抜け漏れ防止と改ざん検知(完全性)、(b)価格・プロモーション変更時にシナリオを迅速に更新し最新ルールで処理させる(正確性)、(c)顧客データを含む処理ログの安全な記録・保管と定期レビュー(可監査性)、(d)障害発生時に即人手処理へ切替え顧客影響を最小化する手順(継続性)などを目標に掲げます。これらを踏まえ、ロボット利用時にも従来の承認プロセスを組み込み(二重承認の適用等)、アクセスログを日次点検する、RPA改修時は本部のレビュー承認を必須とする、といった統制活動を設計します。
- 監査手続: 監査人はRPA運用規程・マニュアルを確認し、個人データ保護や変更管理手順が設計通りか把握します。文書レビュー: RPAシナリオ設計書・テスト結果、アクセス権限表、ログ設定書などを精査します。インタビュー: 情報システム担当者や店舗マネージャーにヒアリングし、野良ロボットの有無やインシデント対応状況を確認します。サンプリング: RPAが生成した日次売上報告等のデータを抽出し、元データとの突合で正確性・完全性を検証します。CAATs: RPAログを分析し、深夜の不審な稼働や大量エラーの発生が無いかをチェックします。必要に応じ、決算関連データへのRPA適用について会計監査人とも協議し、監査手続きを調整します。
- 体制・合意形成: 小売企業では本社DX推進部門が中心となり、店舗運営部門・IT部門・内部監査部門を巻き込んだ体制を構築します。RPAガバナンス方針を定め、ロボット開発基準や利用申請フローを整備することで現場の統制外運用リスクを低減しますassets.kpmg.comassets.kpmg.com。役割分担は、DX推進部門が全体管理、現場部門が自動化ニーズ提案と検証、IT部門が技術サポートとセキュリティ設定、監査部門が統制チェックです。KGI/KPIは「業務処理時間○%削減」(KGI)に対し「レジ締め作業時間」「日次報告作成件数」等をKPI設定し、進捗をモニタします。定例会議で現場の不安やリスク認識を共有し、トップダウン・ボトムアップ双方で合意形成を図ります。
- KPI例: 作業時間削減率(RPA導入後に削減できた定型業務時間の割合)、処理件数/人(従業員一人あたり日次処理件数の推移)、エラー件数(月間RPA処理エラー総数)、在庫適正率(適正在庫範囲内に収まった商品の割合)。これらKPIをモニタリングすることで、RPAの効果と安定性を客観的に評価できます。
- 監査リスクと限界: 本パックは教育目的の一般的参考資料でありsmash-sbc.com、実際の小売業務に適用する際には各社のシステム環境や取扱データ特性を踏まえた調整が必要です。監査上は、POS等基幹系とRPAの境界で統制責任が不明確にならないよう監査範囲を明確化することが望ましいです。また証跡の信頼性(ログ改ざん防止等)が前提となる点、監査人自身のITスキル不足が見落としを招くリスクも認識し、専門知見の活用を検討します。これら前提の下、十分なサンプリングや継続的モニタリングにより統制不備の兆候を検知できるよう反証的アプローチを組み込む必要があります。
- 参考リンク:
[1] NTT東日本「小売業向けRPA導入のメリットや注意点とは?」2022business.ntt-east.co.jpbusiness.ntt-east.co.jp
[2] Bizクロ(Chatwork)「RPAと内部統制の問題点」2023bizx.chatwork.com
[3] マネーフォワード「内部統制におけるRPA運用のメリットは?」2024biz.moneyforward.combiz.moneyforward.com - 作成日・最終閲覧日: 2025-08-24(JST)
(※本資料は教育目的で関連情報を要約・再構成したものです)
物流業向けRPA監査エビデンスパック
- 要約: 物流業では深刻な人手不足や長時間労働規制(「2024年問題」)への対応策としてRPA活用が注目されていますusknet.com。出荷処理や在庫管理など定型事務を自動化することで作業時間を短縮し、ミス削減・サービス品質向上が期待できます。一方、RPA導入には業務停止リスクやデータ漏洩リスクなどが伴うため、ISO 22301や情報セキュリティ基準に準拠した統制設計と監査が必要です。
- 現場課題: 物流現場ではドライバー・倉庫作業員の不足usknet.comとEC市場拡大による処理量増大が大きな課題です。限られた人員で迅速・正確な配送を行う必要から、RPAによる受注データ入力や帳票作成の自動化ニーズが高まっています。また複数システム(WMS、運送会社システム等)の連携不足で生じる手作業が非効率の要因です。現場では「RPAが止まれば配送遅延に直結する」という不安が強く、システム変更時のRPA改修漏れや現場スタッフのITスキル不足も導入障壁となっています。
- リスクと基準: 業務中断リスク: RPA障害で配送指示が滞ると出荷遅延に繋がる(BCP上、代替手順や冗長化が必要assets.kpmg.com)。誤処理リスク: 住所データの読取ミス等で誤配送が起きる恐れ(NIST SP800-53の変更管理に沿ったテストと例外処理設定が必要)。情報漏洩: RPA用IDの不正利用等で顧客住所データが漏洩するリスクbizx.chatwork.com(輸送契約上の機密保持義務や個人情報保護法遵守が必要)。統制逸脱: 現場がIT部門の関与なくロボットを開発し統制外運用となる危険(COBIT2019に基づくITガバナンス強化が求められる)。こうしたリスクに対し、社内規程や業法(貨物自動車運送事業法の帳票管理等)と照らし合わせて統制を整備する必要があります。例えば輸送日報作成にRPAを使う場合、記録保管義務を満たすようログ管理を行うなど、法令基準と統制活動を対応付けます。
- 有効性: RPA導入により、送り状データ転記作業の自動化で出荷リードタイムが短縮され残業削減とドライバー待機時間の減少につながりますusknet.com。伝票入力ミスも防止でき、誤出荷クレーム削減効果も見込まれます。経営面では24時間無人稼働により繁忙期の対応力が増し、監査面では作業ログが残ることでトレーサビリティが向上します。ただしRPAの可用性確保が前提であり、監査では緊急時に人力で業務継続可能か(RTO内復旧・マニュアル代替)が有効に機能するかを確認することが重要です。
- 統制設計の芯: 物流領域のRPA統制目標は「配送プロセスの正確性・継続性確保」です。(a)誤配送防止(住所・数量データの検証機能と例外時アラート)、(b)作業停止回避(複数拠点で冗長運用し一方のRPA障害時に他拠点が代替実行)、(c)法令対応(運送記録の保管義務をRPAログで満たす)等を重視します。これらに沿って、ロボットのダブルチェック機能(重要データの二重検証)、異常検知時の自動通知と人手介入プロセス、定期メンテナンス計画とバックアップ体制など統制活動を設計します。
- 監査手続: 監査人は物流特有のリスクに対応した統制の整備・運用状況を検証します。書類精査: RPA設計仕様書・変更履歴・障害対応手順書・輸送日報との照合結果などを確認し、統制設計通り運用されているか評価します。インタビュー: 現場管理者やIT担当者に、例外発生時の処理、外部業者とのデータ連携(EDI代替としてのRPA活用など)の管理状況をヒアリングします。実地テスト: RPA処理済みの出荷実績データをサンプリングし、原始データ(注文書等)と照合して完全・正確に処理されたか検証します。データ分析: ロボット実行ログを解析し、予定外の深夜稼働や異常停止の頻度を調査しますbizx.chatwork.com。さらに必要に応じ、RPA停止を想定したBCP訓練の結果報告をレビューし、有事対応能力を評価します。
- 体制・合意形成: 業務部門(物流企画)・IT部門・内部監査部門が三位一体でRPA推進に当たります。複数拠点でRPAを運用する場合、中央にRPA統制本部を設置し、開発標準ルールや変更管理手続きを統一することが望ましいです。役割分担は、業務部門が要件定義と現場教育、IT部門がロボット技術評価とセキュリティ設定、監査部門が定期チェック(ログ監視や拠点監査)を担います。KPIとして「配送1件あたり事務工数○分削減」等を掲げ、各拠点での達成度をモニタします。関係者間でリスク認識と目標を共有し、物流パートナー企業ともRPA活用範囲や責任分界点を事前に合意しておきます。
- KPI例: 処理件数/時(RPAが1時間あたり処理する伝票数)、誤出荷率(全出荷件数に占める誤配送・誤数量の割合)、ロボット稼働率(計画稼働時間に対する実稼働時間)、BCP訓練頻度(非常時手動対応訓練の年次実施回数)。これらを測定し、RPA運用の効率と信頼性を定量評価します。
- 監査リスクと限界: 本資料は教育目的の一般論でありsmash-sbc.com、各社の物流プロセスや取扱商品特性に合わせた調整が必要です。監査においては、外部委託先(3PL等)との統制責任の分界点が不明瞭になりやすいリスクに注意します。RPA導入により従来の人手統制が形骸化していないか(例:WMS上の二重確認をRPAが代替した場合の統制抜け)に着目し、監査人は懐疑的思考で反証テストを設計する必要があります。またRPA変更頻度が高い場合、監査意見が陳腐化しないよう定期フォローアップを行うことも求められます。
- 参考リンク:
[1] ユーザックシステム「物流業務におけるRPA活用のメリットとは?」2025usknet.comusknet.com
[2] Bizクロ(Chatwork)「RPAと内部統制の問題点」2023bizx.chatwork.combizx.chatwork.com
[3] KPMG「企業におけるRPA導入のリスクと対策」2016assets.kpmg.com - 作成日・最終閲覧日: 2025-08-24(JST)
(※本資料は教育目的で関連情報を要約・再構成したものです)
医療業向けRPA監査エビデンスパック
- 要約: 医療機関では診療報酬請求や電子カルテ入力など事務作業の効率化とヒューマンエラー防止を目的にRPA導入が進んでいます。RPAにより24時間体制で定型業務を処理でき、人的ミス減少や医療従事者が患者ケアに専念できる時間創出が期待されますrpa-support.com。一方、患者情報を扱うため情報セキュリティと法令遵守(医療関連法、個人情報保護法等)への配慮が不可欠であり、適切な統制と監査を通じて安全性・信頼性を確保する必要があります。
- 現場課題: 医療現場では煩雑な事務負担と人手不足が深刻です。レセプト処理や検査結果の転記などに多くの時間を取られ、医療従事者の負担となっています。また属人的運用で業務手順が人依存になりがちで、RPA導入には業務標準化が前提となります。院内システム(電子カルテ/オーダリング)の仕様が複雑でRPA連携が技術的に難しい場合もあります。さらに患者安全への影響から**「RPA誤作動で患者情報にミスが生じたら」**との不安が大きく、現場スタッフへの周知・トレーニングや万一の誤処理検知・訂正プロセス整備が必要です。
- リスクと基準: 患者安全リスク: RPAの誤処理で患者データに誤りが混入すると診療ミスにつながる恐れ(医療法が定める安全管理体制上、重要業務は人のダブルチェック等を組み込み対策)。情報漏洩: RPA用IDが不正利用されカルテ情報が漏洩するリスクbizx.chatwork.com(個人情報保護法や医療情報ガイドラインに沿ったアクセス権管理・端末セキュリティが必須)。システム依存: RPAが電子カルテ等に強く依存し、システム更新時に不整合や停止を起こす可能性(ISO20000-1の変更管理プロセス適用が望ましい)。ブラックボックス化: RPA導入で現場担当者が処理手順を把握しないままでは、仕様変更に対処できなくなる懸念(内部統制上、業務フロー文書化と定期的な知識継承が必要)。こうしたリスクについては厚労省「医療情報システム安全管理ガイドライン」mhlw.go.jpにも留意点が示されており、ISO27799(医療情報セキュリティ)等の基準も参考に管理策を講じます。
- 有効性: RPAによって、例えば保険請求データ入力が自動化されれば処理時間が大幅短縮しレセプト提出の迅速化や入金サイクル改善につながります。また検査予約や結果転記をRPAが行うことで看護師・技師の負担が軽減され、患者対応時間の確保に寄与しますrpa-support.com。監査上は、医療機関のBCP(災害時等でも最低限の診療体制維持)の中でRPAがボトルネックとならないか検討が必要です。RPA停止時に即手動へ切替える訓練の実施や、紙運用へのフォールバック手順(例: 処方箋は印刷原本も保管)が整備されているか確認することで、経営・監査双方の安心材料となります。
- 統制設計の芯: 医療分野でのRPA統制の根幹は「患者のプライバシーと安全を損なわず業務効率化する」ことです。統制目標には、(a)患者データ処理の正確性(RPA結果を人がダブルチェックする体制)、(b)処理漏れ防止の完全性(診療記録をRPA更新後に人が確認するフロー)、(c)処理ログの機密性(アクセス制御と通信暗号化)、(d)障害発生時の継続性(RPA停止時は即人手処理へ切替え)などが含まれます。それを踏まえ、ロボット利用時にも人による承認プロセスを残す、アクセスログを日次点検する、RPA改修時は医療情報部門がレビュー承認するといった統制活動を組み込み、RPAが内部統制の一部として機能するようにします。
- 監査手続: 医療機関のRPA監査では、まず文書レビューによりRPA運用規程(アクセス権限、変更管理、インシデント対応)や情報セキュリティポリシーとの整合性を確認します。インタビューでは院内の情報管理責任者や事務長に、RPA適用業務の選定基準、事前検証プロセス等を聴取します。実査として、RPAが処理した診療記録の一部を抽出し原資料(紙カルテ等)と照合してデータの正確性・網羅性を検証します。ログ分析では、RPAのアクセスログや操作ログを確認し、権限外アクセスや深夜・長時間稼働など不審なイベントが無いかチェックしますbiz.moneyforward.com。必要に応じ、患者プライバシー保護の観点からデータ保護担当者(DPO)等の意見を求め、監査結果に反映させます。
- 体制・合意形成: 医療機関では院長・事務局主導で「医療DX推進委員会」を設置し、医療情報部門・診療現場代表・内部監査担当が参画してRPA導入を統括する体制が望ましいです。役割分担は、医療情報部門がRPA技術管理とセキュリティ評価、事務部門が業務プロセス分析と成果計測、診療部門が業務適用範囲の妥当性チェック、内部監査が統制順守モニタリングを担当します。KGI/KPI例として「事務作業時間○%削減」(KGI)に向け「月次レセプト処理件数」「入力誤り件数」等(KPI)を設定し、委員会で定期レビューします。またRPA導入にあたって患者情報保護委員会等とも協議し、プライバシー影響評価(PIA)を実施してリスクと対策を合意形成することで、組織内の安心感とコンプライアンスを両立させます。
- KPI例: レセプト処理時間(月次の保険請求処理所要時間)、入力誤り件数(RPA処理後に訂正が必要だった件数)、ロボット稼働率(予定稼働時間に対する実稼働割合)、職員満足度(「RPAで業務負担が減った」と回答した職員割合)。これら指標でRPA効果と課題を定量評価し、改善に活かします。
- 監査リスクと限界: 本パックは教育用一般論に基づくものでありsmash-sbc.com、各医療機関の規模・診療科特性等に応じて適用内容を調整すべきです。監査上は、RPAが医療安全に直結する可能性があるため、通常のIT監査以上に慎重なアプローチが求められます。例えばRPAが患者データを扱う場合、監査証跡へのアクセス自体がプライバシー侵害とならないよう配慮が必要です。また法令改正(診療報酬制度変更等)にRPAシナリオが即応できなかった場合のリスクについて、監査人は経営陣と認識を共有し必要な是正提言を行うことが求められます。以上の前提を踏まえ、証拠に基づく客観的評価と改善提案に努め、RPA統制が医療機関のガバナンスに資することを示す必要があります。
- 参考リンク:
[1] 厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第6.0版」2023mhlw.go.jp
[2] RPA運用サポート.com「医療業界でRPA本格活用 – コンプライアンスとリスク管理」2022rpa-support.com
[3] Bizクロ(Chatwork)「RPAと内部統制の問題点」2023bizx.chatwork.com - 作成日・最終閲覧日: 2025-08-24(JST)
(※本資料は教育目的で関連情報を要約・再構成したものです)
金融業向けRPA監査エビデンスパック
- 要約: 金融業界では事務効率化や正確性向上を目的としてRPA活用が広がっています。定型的な融資審査や帳票作成をロボットに代替することで業務スピードが向上し、人的リソースを付加価値業務に振り向けられるメリットがあります。一方、金融は高い正確性・安全性が要求される分野であり、RPA導入に際してはリスクガバナンスの強化が欠かせません。監督当局ガイドライン(例: FISC安全対策基準)や内部統制基準に則った統制整備と監査プロセスが必要となります。
- 現場課題: 銀行・証券等では膨大な手作業事務(データ照合、帳票入力など)によるオペレーショナルリスクや人件費負担が課題です。勘定系などレガシーシステムは連携が難しく、現場部門でExcelマクロ等が乱立する「野良ロボット」状態も見られます。また厳格な承認プロセス文化があるため、RPA導入時に既存業務フローや職務分離ルールへの影響を慎重に調整する必要があります。監査人や当局への説明責任を果たすため、RPAのロジックや結果の透明性をどう担保するかも検討課題です。
- リスクと基準: 法令遵守リスク: RPA誤処理で法違反状態を招く恐れ(例: マネロン対策業務で見逃し発生fisc.or.jp→NIST SP800-61のインシデント対応統制が必要)。顧客影響リスク: 誤振込や支払ミスが顧客に直結する可能性fisc.or.jp(金融庁検査マニュアルに沿いダブルチェックや緊急対応手順を整備)。不正リスク: RPA用IDの悪用や統制抜けにより不正送金・情報漏洩の懸念assets.kpmg.comassets.kpmg.com(FISC基準でのアクセス管理・職務分掌遵守が必須)。統制無効化: 現場がIT部門無関与でRPA開発し既存全般統制が効かない事態superstream.canon-its.co.jp(COBIT2019に基づくITガバナンス強化が必要)。これらリスクに対し、金融機関は自主点検や統合的リスク管理態勢の中でRPA統制を位置づけ、J-SOX評価範囲にRPA処理を含める等の対策を講じます。
- 有効性: RPAで融資審査データ収集入力を自動化すれば審査時間が短縮し顧客サービスが向上します。また決算資料作成をRPAで行えばヒューマンエラーが減り、監査調整が容易になる効果もあります。経営面では人件費削減・事務集中解消など効率化メリットがありますが、システム障害で業務停止時の潜在損失にも注意が必要です。監査上は、RPAが内部統制に与える影響を評価します。特に財務報告プロセスにRPAが関与する場合、J-SOX上のIT統制として適切に設計・運用されているか検証します。またBCP観点では、重要業務のRPA停止時に規定時間内(RTO)で手動対応できる体制が整備されているか確認することが経営上の有効性評価につながります。
- 統制設計の芯: 金融RPA統制の核心は「RPAを既存内部統制フレームに組み込み、金融リスク許容度内で運用する」ことです。統制目標には、(a)取引データ処理の完全・正確性確保(RPA結果を監視し異常時は自動アラート)、(b)承認統制の遵守(RPA自動処理にも二重承認やアクセス制限を適用)、(c)証跡管理(全処理ログを保存し監査追跡可能に)、(d)可用性確保(重要業務でRPA障害時は人手処理へ即移行)などがあります。それに基づき、「RPA処理も従来の承認ワークフローに組み込む」「ロボットIDに人間同等の認証・権限管理を適用」「処理ログを日次レビューし不正兆候を早期発見」等の統制活動を設計し、RPAが内部統制の一部として機能するようにします。
- 監査手続: 金融機関のRPA監査では、まず統制デザイン評価としてRPA関連ポリシー(リスク管理規程、開発標準手順)が整備され経営承認されているか確認します。次にテスト段階で、RPA処理の一部を抽出し実際の処理結果(仕訳や帳票)が正確かつ承認記録通りか追跡検証します。ログレビュー: RPA実行ログ・エラー記録を分析し未承認の変更や不審な動作が無いか監査ツールでチェックしますassets.kpmg.com。インタビュー: リスク管理部や内部監査部にRPA管理状況(定期自己点検の実施、不備発見時の対処)をヒアリングします。必要に応じ再現テスト: テストデータを投入し期待通り処理されるか検証する手法も活用します。こうした手続きにより、統制設計が有効に運用されているか判断します。
- 体制・合意形成: 金融機関では経営陣がトーンを示し、全社横断のRPA推進チームを組成して進めるケースが多いですfisc.or.jp。業務部門・IT部門・リスク管理部門・内部監査部門が共同でプロジェクトを推進し、ユーザ部門は自動化候補業務の選定と受入テスト、IT部門はツール選定と開発支援、リスク管理部門はルール策定とリスク評価、監査部門は導入前後の統制評価を担当します。KGI/KPIは「年間事務コスト○%削減」(KGI)に対し「月次処理件数/人」「事務ミス件数」等をKPI設定し、四半期毎に取締役会へ報告する等トップと現場の合意形成を図ります。さらに当局や監査法人とも事前にRPAの内部統制上の取扱いについて対話し、ガイドライン解釈の擦り合わせを行うことで対外的な安心感を確保します。
- KPI例: 事務ミス削減率(RPA導入後に減少した誤処理の割合)、処理スループット(一定時間内に処理できる取引件数)、監査指摘件数(RPA関連の内部/外部監査指摘事項数)、ROI(RPA導入の投資対効果)。これらをモニタリングし、RPAプロジェクトの成功度を測定します。
- 監査リスクと限界: 本パックは教育目的の一般的知見に基づくものでありsmash-sbc.com、各金融機関の業態やシステム環境に合わせたカスタマイズが必要です。監査人は、RPA依存業務に固有の監査リスク(コードレビューに専門知見要・ログ改竄検知困難等)を認識し、計画段階で専門家の起用や追加手続きを検討します。またAI等と連携した高度なRPAではリスク様相が変化し統制が追いつかない可能性もあるため、リスクベースで統制を継続改善する姿勢が求められますassets.kpmg.com。さらに当局規制や監査基準の変更によってRPA統制の要求水準が変わる可能性にも留意が必要です。以上の前提条件・限界を明示しつつ、証跡に基づく客観的評価と経営陣への改善提言を行うことが監査人に求められます。
- 参考リンク:
[1] 金融情報システムセンター(FISC)「RPA導入にあたっての解説書」2019fisc.or.jpfisc.or.jp
[2] KPMG「RPAガバナンスの重要性と構築のポイント」2020assets.kpmg.comassets.kpmg.com
[3] 日本公認会計士協会 IT委員会研究報告第52号「RPAは内部統制上問題とならないのか」2019superstream.canon-its.co.jp - 作成日・最終閲覧日: 2025-08-24(JST)
📌補足
事例集の読み方について(共通注記) ※クリックで開きます
1. 目的と対象
教育・研究を目的として、試験区分の実務で参照頻度が高い一次情報を中心に、5業種別の論点を要約・再構成して掲載します。試験の合否・実務判断を保証するものではありません。
2. 出典・引用ポリシー
- 引用は著作権法第32条の要件を満たすよう、出所明示・主従関係の維持・引用部分の明確化を行います。
- 引用は必要最小限にとどめ、解説や表現は当方による二次的著作物(要約・編集)を含みます。
- 図表・画像は原則自作または権利元の許諾・埋め込み規約に従います。
3. AI利用の明示
本文の整理・要約・校正に AI(ChatGPT 等) を使用しています。誤り・旧情報・解釈差が残存する可能性があります。意思決定は原典に基づき自己責任でお願いします。
4. 非公式性/関係の明確化
本ページは IPA を含むいかなる機関とも無関係です。規格・基準(ISO、NIST、COBIT、FISC 等)の名称は出典の説明目的で記載しており、当該団体の承認や提携を意味しません。
5. 最新性・責任制限
法令・基準・ガイドラインは改定されます。更新日時と参照日を記載しますが、最新性・正確性・適合性は保証しません。外部リンク先の内容・可用性について責任を負いません。
6. 商標
記載の会社名・製品名は各社の商標または登録商標です。
7. 連絡先と削除ポリシー
権利上の懸念がある場合は お問合せ までご連絡ください。内容を確認のうえ、迅速に訂正・削除等の対応を行います。